本格的なインターネット調査をよりスピーディーに実現するDIY型(セルフ型)リサーチの普及によって、企業のマーケティングはどう変わっていくのでしょうか。今回は、コクヨS&Tの白石良男さんと、GMOリサーチでDIY型(セルフ型)リサーチシステム『GMO Market Observer(GMOマーケット・オブザーバー)』を担当する白鳥陽香さんに聞きました。
PDCAサイクルを回し、消費者像を把握する
——キャンパスノートは今年発売40周年を迎えるロングセラー商品です。消費者に愛されるブランド・商品づくりのために、コクヨS&Tではどのようなことを考えていますか。

コクヨS&T ECM部 部長 白石良男さん
白石
当社では「商品を通じて世の中の役に立つ」という企業理念を掲げていますが、そのためには商品の機能やベネフィットを追求するだけではなく、生活者の声に耳を傾けることが重要だと思っています。
また、現在は生活者の情報の範囲や意識が地球規模にまで広がり、企業は生活者と共に歩んでいる姿勢が求められています。これからのコミュニケーションでは、生活者と同じ目線で企業の活動や姿勢について共感をしていただくことが重要だと考えています。
——消費者のニーズや声をスピーディーに収集する方法として、近年DIY型(セルフ型)リサーチの市場が急拡大しています。マーケターにとってのメリットは何でしょうか。白石
社内で手軽に調査できるのがいいですね。当社の商品は文具を中心に約130カテゴリー・約1万品番と多岐にわたるので、個々のプロモーションやリサーチにコストをかけることはなかなかできません。
一方で、ユーザーの多様化に追い付くには、ますますスピードが求められます。DIY型リサーチなら、低コストで迅速に調べることができるので用途が広そうです。

GMOリサーチ サービス・プロデュース本部 白鳥陽香さん
白鳥
まさにそうだと思います。データ収集から集計、アウトプットに至る各プロセスの時間を短縮すべく、私たちも『GMO Market Observer』の改善を進めています。DIY型リサーチはさらにスピードアップ、レベルアップしていくでしょう。