
「新聞の折込広告やEメールのDMなど効きにくくなっている環境の中で、宛名なしDMの可能性は広がりそうです」と小野氏。
通常のDMと何が違うのか?

青山学院大学 経営学部 教授
小野譲司 氏
青山学院大学経営学部マーケティング学科教授。専門分野はマーケティング、サービス・マネジメント、顧客戦略。JCSI(日本版顧客満足度指数)アカデミックアドバイザリーグループ主査として、サービス産業の大規模顧客満足度調査の設計と分析に関わる。
小野
折込広告に代わる新規顧客の獲得策として、宛名なしDMを選択する動きが活発化しているそうですね。
稲川
新聞の購読者数が年々減少する中(図)、「〇〇地域にお住まいの方へ」といった形で、個別の宛名を記載せず、指定エリアに届けるDMは、宛名リストがなくてもターゲットに届けることができるため新規顧客獲得策として採用する企業が目立ちます。
当社では、国勢調査や、当社独自のデータ分析手法により、どのエリアにどの年代、性別、世帯年収の人が多いのか、自動車保有台数はどうかなどをセグメントしており、ターゲットとしたい対象がいるエリアに無駄なく効率的に情報をお届けする宛名なしDM「エリアダイアログ」が好評を得ています。

小野
どんな業種の利用が多いですか。
稲川
ブランドに配慮されている企業が多いです。

ヤマトダイアログ&メディア 経営戦略部長 稲川浩之 氏
外資系ダイレクトマーケティングエージェンシーにてシニアクリエイティブディレクター、アカウントプランニ ングディレクターを経て、現在はヤマトダイアログ&メディア株式 会社経営戦略部長、コミュニケーションデザイン部長を兼任。
折込広告だと特殊な形状のDMは扱えませんが、宛名なしDMは表現の幅も広げられるので、ブランドの世界観を演出しながらも、しっかりとレスポンスにつなげられる。特に増えているのは、店舗集客では学習塾や不動産、自動車ディーラー。顧客獲得ですとダイレクト型の保険や通販企業です。
当社の宛名なしDMをご利用いただくことでレスポンスが数倍に増え、継続的にお付き合いいただくクライアントも増えています。