通信キャリアとしてのイメージが強いソフトバンクだが、実は4年前から企業のデジタルマーケティングを支援する事業に取り組んでいる。O2Oやマーケティングオートメーションのツールを提供し、すでに500社を超える顧客を抱えている。なぜソフトバンクがデジタルマーケティングの支援事業を始め、さらにそれだけの顧客から支持を得るまでに成長できたのか。同社のデジタルマーケティング事業を統括する藤平大輔氏に聞いた。
ソフトバンク株式会社 法人事業開発本部 デジタルマーケティング事業統括部 統括部長 藤平大輔氏
小売業やメーカーを中心に300を超えるO2O案件を支援
――通信キャリアのイメージが強いソフトバンクですが、なぜデジタルマーケティングの支援事業に乗り出そうと考えたのですか。
事業をスタートした2012年は、弊社のグループ企業であるヤフージャパンの社長に宮坂学が就任したとき。そのタイミングで、広告メディアとして圧倒的な力を持っている「Yahoo! JAPAN」と、通信インフラ業を行うソフトバンクの両社が手を組めば、データを起点にした企業のマーケティング支援ができるのではないか、と考えたことがきっかけです。はじめは、Yahoo!JAPANのリスティング広告などを販売しながら、店舗への集客につながるO2Oサービスの開発を進めました。
――それで、「ウルトラ集客」を始めたのですね。
はい、そうです。「ウルトラ集客」は、Yahoo! JAPAN上で広告を掲載し、リアル店舗に送客。来店したお客さまがソフトバンクの運用するクーポン発券機「Coupon GATE」を利用して、レジで割引を受けたり、商品と交換できたりするO2Oソリューションです。Yahoo! JAPANに広告を掲載することで、商品への認知を高めるとともに、実際に店舗へ誘導できるということがメリットになります。これまでの実施案件数は300件以上にのぼり、サービスを利用している全業種で平均30~50%ほどの集客コストを削減しました。