3Mはいかに「楽天」を活用し、オンライン売上160%を実現したのか

ポスト・イット(R)ノート、スコッチ(R)メンディングテープ、スコッチ・ブライト(TM)抗菌ウレタンスポンジなど、文具・日用品からヘルスケア、工業用製品まで幅広い商品を取りそろえるスリーエム ジャパン(3M)。同社は近年、自社のECサイトや外部のECプラットフォームを活用し、オンライン上の売上を前年比160%と伸ばしている。その成長に貢献しているのが楽天との試みだ。そこで、同社のEC戦略について、スリーエム ジャパンの福永努氏と佐藤尚樹氏、さらに楽天の向谷和男氏と高山匡行氏に聞いた。
左から、
スリーエム ジャパン株式会社 eコマースプロジェクト部 eコマースセールスグループ セールス&マーケティングマネージャー 佐藤 尚樹 氏
スリーエム ジャパン株式会社 eコマースプロジェクト部 プロジェクト部長 福永 努 氏
楽天株式会社 アドソリューションズ事業 事業企画部長 向谷 和男 氏
楽天株式会社 アドソリューションズ事業 プラットフォーム事業開発部長 高山 匡行 氏

ECサイトでモノを売るために必要なこと

—まずは、3MさんがいまECを強化している理由から教えてください。

スリーエム ジャパン株式会社
eコマースプロジェクト部 プロジェクト部長
福永 努 氏

福永:

私たち3Mでは、お客さまから「その商品どこで買えますか?」という質問をいただくことがとても多いのですが、この質問に答えるのはとても難しく困っています。というのも、実際に商品が消費者の手に届くまでには特約店・小売店・カタログ通販など、多岐にわたる流通経路が存在し、それぞれの在庫状況を把握することは困難だからです。

この問題を解決するためにはお客様が「どこでもお買い求めいただける環境」をつくることが必須です。これはメーカーの使命であり、それを実現するのがECの活用だと思っています。

—ECサイトや、外部のECプラットフォーム上での売上を伸ばすためには、何が必要だとお考えでしょうか。福永:

はい、ECサイト上で商品を売るために必要なことをまとめたのがこの図です。ファネルの上3段の部分を、私は「筋トレ」だと思っています(笑)。

何よりも大切なのは、商品情報がECサイト内で確実に掲載されて、お客様が見つけられる環境を整えることです。さらに「商品数」を絞り込まずに幅広い商品を揃え、そして「在庫有り」の状況をつくる。これができないと、いくら赤色の箇所のプロモーションに力を入れても売上は伸びません。図が逆三角形になっている通り、まずは商品情報のフェーズが小さくなると、最終的な「購買」も減少してしまいます。

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