コントロールしようとせず、自ら出向く姿勢
消費者間をつなぐソーシャルメディアの普及がもたらすものは、一方通行の押し付けと揶揄(やゆ)されてきたマスマーケティングに対し、消費者との対話や消費者の発言への傾聴、それらから発生する商品開発・サービス改善などだ、と言われている。これらを指して、「B to CからB with C(消費者と共に)」というニュアンスの言葉がとりわけソーシャルメディアマーケター付近で語られることも多い。
しかし私の場合はこれを、「B to Cから、B into Cへ」と言ってみたい。そのほうが、従来のマーケティングとの立ち位置がいかに違うか、が明らかにしやすいからだ。
「B with C」という言葉のニュアンスには、これまでのマスマーケティングでは消費者が置き去りにされているのではないか、一方的に押し付けているのではないかという反省が含まれている。しかし、消費者の声を聴く、消費者と商品開発をする、なんていうことは“ちゃんとした”企業であれば多かれ少なかれ、「ソーシャルメディアに頼らなくても」やっていることであり、そうした企業にとっては今さら感が大きい(むしろ、消費者の声を聞いてなければB to C企業は生きていけない)。では何が変わっていくのか。