ワークショップ開催で地域との交流進む
仙台市内のビジネスホテル跡地スペースを改装して2010年2月に設立されたクリエーター支援拠点「TRUNK(トランク)」(若林区)が、間もなく1周年を迎える。クリエーティブの力を活用した地域活性化も狙いの一つで、共有スペースでは様々なイベントやワークショップが開かれるなど、地域に開かれた施設として根付き始めている。
トランクは、JR仙台駅から東に4キロほどの商業団地「卸町」にある。文字通り卸売業が集積するエリアとして、1965年から街づくりが行われてきた。同施設は仙台市の支援のもと、協同組合の仙台卸商センターが運営している。
施設内にはシェアオフィス38室を置き、クリエーターに安価でワーキングスペースを提供。また産業支援機関と連携して、ビジネス展開の支援や経営に関するアドバイスなどを行う。グラフィックデザイナーやWebデザイナー、CGクリエーターなど幅広いジャンルのクリエーターが入居し、会員のネットワークづくりの場としても機能している。
「月1回アイデアを出し合う集まりを開催しているが、会員同士それぞれ積極的に意見交換や交流を深めており、仕事の紹介なども行われている」とインキュベーション・マネージャーの柿崎慎也氏は話す。
仙台市は、卸町地区の再活性化にクリエーティブ産業や人材を取り込もうと各種施策を進めてきた。09年に「クリエイティブ産業立地促進助成制度」の対象地区として同地区を認定し、デザインや建築、映像産業などの近隣への集積も進んでいる。
共有スペースでは、クリエーター同士の交流のほか、付近の小学生や同地区に務める人が親子で楽しめるようなイベントを実施。クリエーターが積極的に地域との交流を図っているという。「プラモデルのワークショップなどは好評だった。東北の他県のほか、大阪や名古屋からもワークショップに参加してもらったりと、意欲の高い人が集まる場になりつつある」(柿崎氏)
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