「ARにもうっかりハマる、クラウドの概念。」
川田十夢(AR三兄弟)
クラウドはコンピューティングに限った概念ではない。スマートフォンやWebカメラ付きのパソコンが手元にないと供給できないと思われがちなAR広告だが、デジタルサイネージと人が集まる場所さえあれば、アイデア次第でAR広告を設計することができる。今回は、それを説明するのに最適な海外事例(http://vimeo.com/12855619)をひとつご紹介したい。
場所はニューヨークのタイムズスクエア前。交差点で信号待ちする群衆は、自然にビルに埋め込まれたビルボードを見上げている。何気なく見ていたサイネージの上に、俯瞰で見下ろすようにカメラが設置してある。群衆は、それに自分たちが映っているのを認識する。ここまでは、野球場などでもよく見かける光景だ。しかし、ここからがちょっと違う。ポラロイドカメラを抱えた女の子が登場し、群衆にカメラを向けてシャッターを押す。完成した写真をモニターに向ける。するとそこには信号待ちをしていた自分(群衆)が映っており、その斬新な体験に驚喜の声を上げる。ツイッターやフェイスブックなどに写真付きで書き込む。バズ広告として機能する、巻き込まれ型のAR広告の完成である。
場所を変えて考えてみよう。例えば映画館にはスクリーンが既にあるから、新たなサイネージ設置は不要。必要なのはWebカメラとパソコンだけ。これだけで予告編に登場するはずの怪獣やらスターやらを、客席を巻き込むカタチで登場させることができる。映画関係者、興味あればご一報を。(「宣伝会議」2011年2月1日号から)
※毎月1回掲載(全4回)、次回は2011年3月1日掲載予定
- [WEB MARKETER’S view]AR広告の第一人者が語る拡張現実のお話(第1回)「ARの本質は“省略” そこに斬新はあるのか?」
- [WEB MARKETER’S view]AR広告の第一人者が語る拡張現実のお話(第2回)「斬新が宿るとは? アイデアの遠心力と求心力」
(かわだ・とむ)
未来開発プロダクション ALTERNATIVE DESIGN++ 主宰。ARを実体化する「AR三兄弟」として、国内外のAR広告を数多く手掛ける。『AR三兄弟の企画書』が絶賛発売中。Twitter IDは「cmrr_xxx」。
「WEB MARKETER’S view」バックナンバー
- 【オウンドメディアマーケティング(3)】「オウンドメディアやりたい」(2012/3/01)
- 【オウンドメディアマーケティング(2)】オウンドメディアに必要な「放送設備」(2012/2/23)
- 【オウンドメディアマーケティング(1)】「ソーシャルな時代のオウンドメディア」(2012/2/16)
- 佐藤圭太朗の「WEBメディアビジネス注目事例」(第4回)(2011/6/27)
- 得丸英俊の「デジタル時代に必要なスキルとは?」(第4回)(2011/6/20)
- 三科恵三の「WEBマーケティング 注目事例」(第2回)(2011/6/13)
- 小池政秀の「ターゲティングの進化」(第4回)(2011/6/06)
- 鈴木健の「いま、自社メディアをどう活用するか」(第4回)(2011/6/02)
新着CM
-
販売促進
ファンタジー好きに訴求するグミ カンロ、空想の果実をイメージした新商品
-
販売促進
横須賀市、メタバースで観光誘致 AIアバターの実証も開始
-
AD
宣伝会議
【広報部対象】旭化成のグローバル社内イベント成功事例を紹介
-
コラム
サムライマックのCMに「ありがとう」と言いたい(遠山大輔)【前編】
-
クリエイティブ (コラム)
アイデアが苦し紛れにくっつく瞬間がある――「KINCHO」ラジオCM制作の裏側
-
AD
マーケティング
新規顧客を獲得するためには――飲食業とWeb広告業、それぞれの事例を紹介
-
特集
はじめに/あとがき/解説でざっくりわかる 宣伝会議のこの本、どんな本?
-
販売促進
ベビー用品の速達デリバリー 日本トイザらス、30分以内におむつやミルクを配達
-
販売促進
「認知獲得」「販促」の両方使えるリテールメディア特性がメーカーの混乱を招く