2011年度の「ACC CMフェスティバル」(全日本シーエム放送連盟主催)の審査結果が8日発表され、テレビCM部門の最高賞「総務大臣賞/ACCグランプリ」にはJR九州の九州新幹線全線開業「総集編」が選ばれた。ラジオCM部門はプラチナ・ギルド・インターナショナル「プラチナリング『純粋』『永遠』『希少』」編が、CMを含めたキャンペーンの戦略や効果を評価する「マーケティング・エフェクティブネス(ME)部門」は味の素のクノールカップスープ「『つけパンvs.ひたパン』行動喚起キャンペーン」がそれぞれグランプリに選ばれた。
今年度は東日本大震災後にテレビCMの出稿抑制が起きたことなどを受け、例年のエントリー受け付けのスケジュールを3カ月遅らせた。それに伴い、贈賞式も当初予定の11月上旬から変更し、今年度は2012年1月17日に都内で開く。エントリー時期を延期したこともあり、応募作品数は2347点(テレビ1623点、ラジオ669点、ME55点)で前回から67点増えた。応募数は2004年から減少を続けていたが、7年ぶりに増加に転じた。
テレビCM部門のグランプリ作品は審査会で満場一致で決まったという。審査委員長の杉山恒太郎氏は、「ソーシャルメディアが台頭する中で、(JR九州のCMは)参加性の高い、みんなで楽しめるものの典型」とコメント。震災を経て、「企業はあらためてテレビの社会的役割を考え、様々な挑戦によって多様なCMが集まった。審査を経て、ストーリーが広告にとって重要だとあらためて実感した」と述べた。このほか、9点のゴールド(金賞)を選んだ。