―山形では1989年から「山形国際ドキュメンタリー映画祭」が開催され、今年で11回目を迎えました。これまで消えていった映画祭も数多くありますが、山形では独自の発展を遂げ、国内外から高く評価されています。こんなに映画が盛り上がるのはなぜなのでしょうか。

庄内出身の富樫森監督や「映画24区」のスタッフ、山形市の東北芸術工科大学の学生ボランティアなどが協力して行われた、震災被災地の小学生による映画製作ワークショップ。「豊かな食文化のあるところには人を元気にさせる力がある」と宇生氏はいう。
宇生
映画『蝉しぐれ』を撮影したとき、地元の人たちは「庄内って、こんなにきれいだったのか」と驚いていました。彼らが普段見ているものと、映画のカメラを使って撮影したものは異なり、皆感動してしまうのです。そして、地元の人たちは庄内に誇りを持つようになります。「庄内映画村のお陰で、10年に1回しか見なかった映画を年3回見るようになった」という人も増えています。