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【広報会議2月号連動】ソーシャルメディア・リスク対策 “脱原発アイドル”藤波心さんが語るブログ炎上「賛同も批判もすべて受け入れる勇気が必要」

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2011年3月、東日本を襲った大震災。この影響で起こった東京電力福島第一原子力発電所の事故により、原子炉内から放射性物質が放出・拡散されたことは記憶に新しい。人間が生み出した技術が内包する危険性に「反原発」「脱原発」の声があがる一方、原発が創出する電力は不可欠であるとの見解もあり、議論は平行線をたどっている。この問題をめぐり、連日テレビや新聞で行われる論争の陰で、あるアイドルのブログが“炎上”していたのをご存知だろうか。

炎上したのは、歌手やモデル等として活躍する中学生アイドル・藤波心さんの公式ブログ。「火種」となったのは3月23日のエントリー『批難覚悟で……』だ。原発事故以降、一貫して「反原発」の立場をとってきた藤波さんは当該記事で、原発の危険性を強調するとともに、「安全性」「冷静な対応」を主張し続ける国や専門家の発言、そしてマスコミの報道に疑問を投げかけた。

記事のうわさは瞬く間に広がり、当該エントリーから3日間でブログは300万PV・60万UU数を記録。コメント欄には現在までに、国内外から1万4000件もの投稿が寄せられている。最初は藤波さんの意見に対する賛同のコメントが目立ったものの、徐々に批判のコメントが増えた。

記事の内容や原発の話題に関係のない誹謗中傷コメントも見られるようになった上、事務所に直接クレームのメール・電話が殺到する事態にまで発展した。騒動を受け、周囲の関係者からは「事務所の管理が甘い」「ブログを削除/移転しろ」「次回からはアイドルらしく、クレープかアイスクリームの話題を書け」といった指摘や批判の嵐……。

通常であれば、コメント欄やブログ自体を閉鎖する対応が取られる事態。しかし後日、藤波さんはブログで、原発に関する発言を撤回しない旨を明言し、投稿コメントは批判・中傷を含めすべてそのまま残すことにした。

「1万件以上のコメントを見て、こんなにもいろいろな意見があるのかと勉強になりました。ブログは、私の日常をそのまま伝える場だと思っていたのですが、今回の件を通して、“考える場”でもあるんだなとあらためて思いました。批判の中には、しっかりとした根拠に基づいて私の考えに反論しているものもあって、そのコメントを通して私自身の考えを深めることもできました。批判コメントを全部消して賛同のコメントだけを残せば、表面的にはきれいな記事になる。でも私は、批判も含めて『今の日本の姿』として残しておきたかった。この問題については、今後も少しでも多くの人に考えてほしい。このブログがそのきっかけになればと思いました」。

賛同も批判も自分の糧にしたい、と力強く話した。

会社の上司や同僚、友人同士……さまざまな人とコミュニケーションをとる中では、時には相手から批判を受けたり、言い合いになることもあるだろう。そうした衝突も含めてコミュニケーションであり、それはリアルな対話でもソーシャルメディア上の対話でも同じことだ。しかし、ことソーシャルメディアとなると、批判されたり、陰口をたたかれたり、“炎上”したりといったことに非常に敏感になる個人・企業が少なくない。

人との衝突を恐れて沈黙するのではなく、ウェブ上でも批判や厳しい指摘を含めよりリアルなコミュニケーションを行っていくという姿勢で、ソーシャルメディアを活用する。企業活動において、ソーシャルメディアの活用が不可欠になる今後は、こうした発想も必要なのではないだろうか。ソーシャルメディアがもたらしてくれるメリットを最大限享受するためには、“炎上”とも上手に付き合っていかねばならない。

※詳細は広報会議2月号(2011年12月28日より発売中)をご覧ください。

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