小国同士の戦略的提携に始まり米中のパワーゲームに変貌したTPP
金丸氏と宇生氏の対談を踏まえて、TPPと食の問題について考えてみたい。
TPPとは、正式名を環太平洋戦略的経済連携協定(Trans-Pacific Strategic Economic Partnership Agreement)という。アジア太平洋地域の国々による経済の自由化を目的とした多角的な経済連携協定 (EPA)だ。そもそも、発足の契機となったのは、シンガポール、ブルネイ、チリ、ニュージーランドの経済連携協定(2005年6月3日に調印、2006年5月28日に発効)だ。小国が協力することで国際市場におけるプレゼンスを高め、交渉力などを強化するのが狙いで、目標は、2006年1月1日で加盟国間のすべての関税の90%を撤廃し、2015年までに全ての貿易の関税を削減しゼロにすることだった。