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空港を訪れるたび集めたくなる記念スタンプ 販促NOW<MOBILE APPLICATION>(1)―「販促会議」1月号より

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ケータイ・スマートフォンジャーナリストの石川温氏が注目するアプリを紹介。ここでは、『販促会議』2013年1月号の記事を掲載します。

石川 温(いしかわ・つつむ/ケータイ・スマートフォンジャーナリスト)
1999年に日経ホーム出版社(現日経BP社)に入社。『日経トレンディ』編集記者を経て03年に独立後、ケータイ・スマホ業界を中心に執筆活動を行う。メルマガ『スマホ業界新聞』(ニコニコ動画)を配信中。

ANA旅の情報「旅達空間」

旅行業界とケータイ、スマートフォンの相性は、ずば抜けていい。特に頻繁に出張をするビジネスマンにとって、スマホがあれば、宿泊先や移動手段の予約、旅先でのレストラン検索などを移動中にさっと完了できる。そのため旅行業界は、スマホ向けのアプリやサービスの拡充に熱心だったりする。

全日本空輸(ANA)が提供する「ANA 旅の情報『旅達空間』」は、飛行機で移動するユーザーにとって便利で楽しいアプリだ。当然のことながらアプリ上で飛行機の予約ができ、おサイフケータイ対応のAndroidスマートフォンであれば、そのままスマートフォンをゲートでかざして飛行機にも乗れる。空席検索から予約、決済、搭乗までをアプリだけで完結できるのだ。

ただし、旅好きのユーザーが好んでこのアプリを使うのは、そうしたEチケットの機能だけではない。地味ながら楽しくてハマってしまうのが「スタンプ機能」なのだ。国内で空港に着いたときに、アプリを起動し、スタンプというメニューを選択すると、その空港だけでしか表示されない切手のイラストが表示される。

ここで「スタンプをする」と選ぶと、空港を訪れた記念にスタンプを押してくれるという単純な機能だ。衛星から自分の位置を把握できるGPS によって、空港の中、もしくは近くにいないと、その空港の切手とスタンプは表示されない。なので、「どんな絵柄か」が気になって、空港に行くたびに押してしまうのだ。

また、スタンプはフェイスブックと連携しているのが特長だ。スタンプを押すと、自分のフェイスブックに自動的に投稿され、いまどの空港にいるかが友達に分かってしまう。従って平日、朝早くにスタンプを押せば「これから出張ですか。ご苦労さま」と返信が来ることもあれば、週末ならば「どこかに遊びに行くんですか」というコメントになる。公にできない仕事の内容であれば、さらりと受け流すし、思いっきり休暇であれば「これから沖縄行ってきます!」と高らかに宣言してもいい(お土産を要求されるが)。

ただ空港に来てスタンプを押すだけなのだが、これが友達とのコミュニケーションのきっかけになって楽しいのだ。

ANA-app

ほかのユーザーが投稿した旅の情報も閲覧することができ、市販のガイド本とは違った情報を得ることもできる。トップ画面からは空席照会、予約だけでなく、マイルの残高なども確認可能。飛行機に乗る前、降りたときには必ず、スタンプを押したくなってくるから不思議だ。

ANAが導入した当初は、ひとりで黙々とスタンプを押していたのだが、いつしか友達もアプリを入れて、アクティブにスタンプを押すようになっていた。

ANAからすれば、アプリを提供したことで、多くの人がANAに乗っていることを、フェイスブックを通じてアピールすることができる。自然とANA を目にする機会が増えるのだ。ユーザーからすると「スタンプ帳」のように、過去のスタンプをすべて振り返れる機能があると嬉しい。