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コラム

世界一幸せな国で暮らすということ

デンマークの自転車事情

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世界一幸せな国デンマークの首都、コペンハーゲンは、世界的にも有名な「自転車の街」。統計によると、40%近くのコペンハーゲン市民が、毎日、電車や車の代わりに自転車で通勤通学をしているというほど、自転車は、コペンハーゲン市民のライフスタイルに深く浸透しています。

私の生活にも自転車は欠かせないもの。デンマークでは、電車のなかにも自転車を持ち込めるようになっているので、学校が20km離れた郊外にある私は、毎日、最寄り駅まで自転車を漕いで行き、そのまま自転車と一緒に電車に乗り、学校の最寄り駅から学校まで再び自転車に乗って行く、という風に通学しています。

平日朝8時。コペンハーゲンの忙しい一日が始まるこの時間帯の、市内各地での自転車の交通量は、目を見張るもの。少し前の中国ではないか、と目を疑うほど、幾十ものの自転車の波に街中が包まれます。

おそらく市内一自転車の交通量が多いスポットのうちであるDronning Louises Bro(ルイーセ女王橋)では、なんと自転車道の幅は、車道と同じ幅につくられており、自転車普及率の高さを物語っています。自転車の利用を積極的に奨励しているコペンハーゲン市ならでは、市内あちこちで自転車にフレンドリーな街づくりがされているのです。

デンマークはいかにいまだに寒いか、という話をした前回に比べると、ここ最近は太陽も顔を見せ始めて、少しずつですが、春らしくなってきました。

そし晴れた日のコペンハーゲンっ子のお気入りの過ごし方といえば、このルイーセ女王橋に腰掛けて、気心の知れる仲間とビールを飲みながら、話に花を咲かせること。毎年暖かくなってくると、この橋はコペンハーゲンっ子の社交場へと変わるのです。

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つい先日も、私は学校帰りにこの橋に寄って、友達と、それからその場で会った同世代の学生たちと、夕方の素敵なひとときを過ごしました。社交場というだけに、ここは新しい出会いに溢れていて、たまたま橋で隣り合った人たちと、肌寒くなるまで談笑する、ということもよくある話です。

そして今日、原稿を書こうとやってきた地元のカフェでばったり会ったのは、先日橋で隣り合わせた、コペンハーゲン大学の哲学専攻の学生、エミール。

毎日が偶然の再会に溢れているというのも、小さな都会であるコペンハーゲンでの暮らしの魅力のうちのひとつ。

そんな縁もあって、カフェに座って大学の課題と格闘していたエミールのちょっと邪魔をして、彼の自転車ライフについて語ってもらいました。

僕は、他のコペンハーゲンっ子と同じで、1年365日自転車に乗っています。

コペンハーゲンのいいところは、街全体が自転車に乗る人のことを配慮して設計されていること。だから実際、自転車があれば街中どこでも行ける。僕は大学に通うのにも、バイトに行くのにも、それから週末になれば夜街に遊びに行くのにも自転車を使っているから、自転車なしの生活なんてまったく考えられません。

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そう言って、自慢のミントブルーの自転車を見せてくれたエミール。

デザイン大国デンマークならでは、コペンハーゲンっ子は、ライフスタイルに密着している自転車のデザインにもこだわりが感じられます。

【ニルセン 坂本舞「世界一幸せな国で暮らすということ」バックナンバー】