5月26日、改正公職選挙法が施行され、ネット選挙が解禁となった。これに先立ち、同月24日には自民党公認の参院選候補者が発表された。その中に、「伊藤ようすけ」という名前がある。そう、アドタイの人気連載
の執筆者であり、森永製菓で17年間にわたってCM制作に従事、「シャインズ」や「東京プリン」としてアーティスト活動も行っている、あの人だ。
―広報会議編集部では、7月号の特集「ネット選挙のコミュニケーション」に合わせ、参院選に臨む候補者の戦略を紹介していきます。聞き手は、企業を中心にソーシャルメディアマーケティングを手がけるグランドデザイン&カンパニー 代表取締役社長 小川和也氏。
【バックナンバー】
コンテンツがなければ鬱陶しいだけ
小川:
候補者の中には、ネットはお金や手間がかかると思っている人が多くないですか?いつも使う広告費に加えてネット広告も出さなければいけないとか、炎上対策のための投資が必要とか。でも、本来のネット選挙の意義はそういうことではないはずです。
もちろんお金をかけられるのであれば、そういった対策にも取り組んだらいいですが、本当は何よりも「政治家そのもの」がウェブ上に良質なコンテンツを準備できるか、ということが問われています。何のコンテンツもなく、ただバナー広告で政党や候補者の名前を連呼されたら、有権者は「ネットの世界から去ってほしい」と思ってしまいますよね。公示期間中の選挙カーを「うるさい」と感じる人は多いと思いますが、その雑音がネットの世界にまで広がったら、候補者はむしろ余計に嫌われてしまう。それではネット選挙解禁の意味がありません。
