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コラム

新聞広告の価値 再発見

【新聞広告の使い方】(2)ブランドを築く、新聞ならではの仕掛け

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広告メディアとしての新聞の価値は十分に認識されているのか――。宣伝会議は10月の「新聞週間」、同月20日の「新聞広告の日」に合わせ、メディアニュートラル時代の新聞のあり方にスポットを当てた新聞「アドバタイムズ」を発行しました。掲載記事をWeb上に順次掲載していきます。

“今日”読ませる卒業式広告

関西学院大学

関西学院大学が卒業式当日に行う広告は今年で2回目。卒業生を中心に幅広いステークホルダーへの波及効果も高いという

関西学院大学(兵庫県西宮市)は卒業式当日の3月18日、朝日新聞と日本経済新聞の大阪本社版に全15段広告を掲載した。「今日、関西学院大学を卒業するあなたへ。」と題した卒業生向けのメッセージで、大学のシンボルでもあるキャンパスの時計台と芝生が配置されたシンプルでさわやかなイメージの広告だ。

卒業式当日の新聞広告掲載を行うのは、12年に続いて2回目。14年に創立125周年を迎えるに当たり、4年計画で進めている大学ブランディングの一環でもある。地域の主要大学間の競争が激化する中、近年関学大が掲げる「世界市民」の概念を卒業生だけでなく現役学生やOB、保護者などのステークホルダーに伝え、自ら誇りを持てる「関学ブランド」を再構築していくことを狙った。

卒業生に向けたメッセージは、キャンパスの途上にある阪急電車の駅ポスターのほか、卒業式でも色紙にしたものを式次第などとともに配布したが、一連の展開の起点となるのはやはり新聞だ。

メインのターゲットは新たにOBとなる卒業生だが、合わせて既存のOBのほか教職員や学生の保護者、さらには一般層にも向けている。学生時代を振り返る機会でもある卒業式のタイミングにメッセージを届けることで、OBや関係者にとっては誇りに思ってもらい、一般層には「ちょっとうらやましい」と感じてもらえるような仕掛けが施されている。こうしたメッセージを社会に向けて伝える装置として新聞が機能したといえる。

実際に、当日新聞を見た感想などがソーシャルメディアを通じて拡散されるなど大きな反響が得られたという。学生や社会に向き合う大学だというレピュテーションを獲得することにもつながった。

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