小説家が記すストーリーで企業の世界観を伝える
ライオンは解熱鎮痛剤「バファリン」の新聞広告で、3人の人気作家によるショートストーリーをそれぞれ掲載した。第1弾が「やわらかあたま社物語」(椎名誠・9月14日掲載)、続いて「女友だちはなんのために」(山崎ナオコーラ・9月22日掲載)、「ノーザン協定」(池澤夏樹・9月28日掲載)。それぞれ朝日新聞の全15段で新聞小説を載せ、当日特設サイト上にその後編となるWeb限定オリジナル小説を掲載した。バファリンの50周年を記念して実施したもの。
また、ビクターエンタテインメントは、歌手の髙橋真梨子のベストアルバムの発売告知を目的とした新聞広告で、オリジナルの短編小説を掲載した。朝日新聞全国版夕刊で全2段スペースを5回にわたって使い、ショートストーリーを展開した。髙橋真梨子のデビュー40年を記念したこのアルバムのタイトルは「髙橋40年」。今回の広告は、年代物のシングルモルトウイスキーを思わせるこのタイトルにちなんで、ウイスキーをテーマにした同名の小説を作家の山崎ナオコーラが書き下ろした。
連載終了翌日の朝刊・夕刊には全15段を使い、「髙橋真梨子は、ウイスキーである。」をキャッチフレーズにアルバムの広告を掲載した。このほか、宝飾品のティファニーも小説家の吉田修一による書き下ろし連載企画を昨年のクリスマス時期を前に展開している。
ブランドの持つ世界観を深く伝える際に新聞広告を使うケースは多く見られるが、小説家がストーリーを書き下ろすのは新聞の特性を引き出した手法の一つ。企画によっては、作家のキャスティングを新聞社経由で行うことができるのもメリット。商品情報を詳しく伝えたり新聞読者以外にも訴求したりするために、Webサイト上のオリジナルストーリーに誘導するケースも多い。
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