コラム

街中の“おしい”をレスキュー!

惜しい!ホームの行き先表示――《一番知らせたい事》を大書しよう

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shimomura211

都内のある地下鉄の駅のエレベーター内で見かけた、惜しい案内掲示。

急いで電車に乗ろうとしている気持ちになって、左右の写真を、それぞれ1秒だけ見て下さい。何が印象に残りますか。現物【写真左】のB2・B3は、「ホーム」の3文字が一番強調されてます。でも本当は、ここで一番知りたい事は、【写真右】のようにそれぞれの階のホームの「行き先」ですよね。

こういう表示になっちゃった事情は、察しがつきます。普通、地下鉄の駅のエレベーターは「改札口」階と「ホーム」階を往復するだけだから、こうして「ホーム」と大書するのは、間違っていません。

でもこの駅は、行き先によってホームが違う階にある。それを案内する時に、残念ながら「行き先」は「ホーム」より下位の分類だ、だから「ホーム」よりも小さく書こう、という“論理的に正しい”発想から転換できなかった……そんな《マジメさが裏目》型の掲示なのでしょう。

似たような、強調しどころの間違い事例は、駅の案内放送でも時々聞かれます。

「間もなく、綾瀬行きの《電車》が参ります」という後半を立てたアナウンス。もしホームの乗客が、「次に来る綾瀬行きは、電車だろうか、船だろうか」と固唾を飲んで聴き耳を立てているのなら、この強調は正解です。でも、そういうお客はあまりいません。

ほとんどの人が知りたいのは、「次に来る電車は、どこ行きだろうか」ということです。だったら、正しいアナウンスは前半を立てて、「間もなく、《綾瀬行き》の電車が参ります」ですよネ。

写真でご紹介した案内板にせよ、このアナウンスにせよ、現状のままでも「間違った情報」を伝えているわけではありません。でも、急いでいて一瞬しか案内板を見られない時や、友達と会話していて耳の片隅でしか放送を聴いていない時には、改良型の方が、「あれ? 今、何て書いてあったっけ…」「何て言ったっけ…」は、ずっと減ります。

受け手の頭に、もっと一発でスッと入る伝え方はないか。ちょっと、あなたの看板も見直してみませんか。

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あなたが街で見かけた、ビミョーに伝わらないおしい看板。自分で作ってみたけれど、今一つ手応えがないおしい掲示。そんな実例の写真を、簡単な状況説明を添えて「kouhou@sendenkaigi.co.jp」までお送りください。採用されたコンテンツに対し、下村氏が当欄でアドバイスいたします。

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