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最古×最新=新しい、普遍。または、なぜ「ライスコード」は世界から高く評価されるのか?
博報堂 i-ディレクション局シニアクリエイティブディレクター
須田和博
カンヌ時間の月曜日、「ダイレクト部門」と「プロモ部門」の最終選考リストが発表になった時、スダラボの先着組の面々は打ちひしがれた。先に発表になった「ダイレクト部門」と「プロモ部門」の受賞を逃し、全滅していたのである。我々は思った。「アドフェストでは高い評価を得たが、やはり世界は厳しい。北米・南米・ヨーロッパが加わると、こんなにも入賞の壁は厚く高いのか・・・」と。
ところが、あくる火曜日、予想外の吉報が舞い込む。なんと「PR部門・ゴールド」の受賞のしらせである。正直、まったく予想していなかった。自分たちがアドフェストでの結果を受けて「脈あり」と予想していたのは、「アウトドア」「メディア」「ダイレクト」そして、夢のまた夢としての「チタニウム」だった。
「勝つは偶然、負けるは必然」とは、よく言ったものだが、本当に自分たちの予想を超えたところで状況は進展する。賞は水モノ、もらえたらラッキー、もらえなくても自分たちのやって来たことの価値は変わらない。そう自分たちに言い聞かせて、長く遠い道のりをコツコツ歩きつづけて来たワケだが、やはりスゴイ賞がもらえると、ヒト様に認めてもらえる。
