オウンドメディアのコンテンツ戦略をどう考える
——商材は違いますが、メーカーのEC施策の再構築という意味では、共通する課題がありますね。
山本:メーカーのECは既存流通とバッティングします。メーカーとしてプライスリーダーとなることが出来ませんので、日本一高いサイトになるわけです。ECを成功させるには、ネット専用商品をつくると行った工夫をしないと難しいのかもしれません。
本間:かさばるものや重いものはECで買う方が楽だと、顧客が認識し始めています。そういうなかで、流通とどのような協力体制を築くのか。一般的にネットだけで売られる商品も意外と多く、また売れています。顧客の買い方を理解する必要を感じます。
——オウンドメディアの中でどのようにコンテンツを作り、出していくかのコンテンツ戦略も重要ですね。
山本:私たちは今、中国でWebページを制作し、全世界70の地域/国に一斉配信しています。コンテンツ制作には2つあって、1つはグローバル製品です。こうした製品のコンテンツは日本でコストをかけて制作し、統一したイメージで展開しています。一方、アジアでしか販売していないようなローカル商品は、現地でコンテンツを制作してもらっています。そうするとどうしてもクオリティの差が生まれます。ここのバランスをどう取っていくか。ローカル製品に対して、グローバル側がどこまでお手伝いできるか、これから考えていくべき課題です。
本間:広告主は、コンテンツパブリッシャーやコンテンツプロバイダーのチームと上手く組んで一緒にやっていかなければならないと感じます。餅は餅屋。得意不得意がありますから、ベストチームを組んで、コンテンツづくりをする時代になってきている。自分たちがやりたいことを明確にして、コンテンツづくりや中期予算を組んで、チームとしてやっていく時期になったのだと思います。
山本:グローバルのコンテンツ制作を考える上で難しいのは、やはり言語ですね。当社もコンテンツはまず英語でつくり、それを他言語に変えていくのですが、このプロセスを日本で行い、グローバルでガバナンスをとることに、非常に苦労しています。
本間:確かに難しいですよね。顧客と共にあるものがブランドであり、オウンドメディアに集まった顧客こそがブランドにとって最大の良き理解者。独りよがりのマーケティングの時代はとうに終わっています。そうした顧客のインサイトを理解する努力を繰り返し続けて、コミュニケーションの試行錯誤を続ける。そうした取り組みこそがオウンドメディアを成長させるのだろうなと考えています。
山本:デジタルマーケティングで、オウンドメディアに来てくれた顧客をしっかり分析して、次の一手を打つ。本間さんもおっしゃっていましたが、私たちは次のプラットフォーム戦略として、「データドリブンマーケティング」を1つの大きな柱に置いてやっていこうと考えています。店頭、量販店、ECなどのあらゆるチャネルで、デジタルマーケティングの成果(売上)をしっかり上げていくことを目指したいと思います。
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