商品を「買ってもらう」ための、もう一手。

【前回の記事「長い商品コピーを、最後まで読んでもらうには?」はこちら

これまで2回にわたって、ルポルタージュの手法を取り入れる商品コピーの書き方について考えてきました。「ルポ的」の大きな目的は2つ。コピーの内容を「信じてもらう」ことと、長いコピーを「最後まで読んでもらう」ことです。この2つの条件が整えば、あとは「商品の実力」次第でしょ?と思われるかもしれませんが、通販コピーは「買ってもらう」ところまでが仕事です。仕上げとして「最後の一手」について触れておきましょう。

次の一文は、コピーライターのバイブルといわれる、ハル・ステビンズの著作『コピー・カプセル』からの引用です。一般コピーのタイトル(ヘッドライン)とサブタイトル(サブヘッド)の役割について触れた文章ですが、「説得」を目的とする通販コピーにこそ重要なポイントが書かれています。

《ヘッドは感情に訴えなければいけない。人びとの生きている所–感情の中心に訴えなければいけない。サブヘッドは知性に対する即座のアッパーカットでなければならない。サブヘッドは製品と読者の生活を結びつけ、製品を買うことの合理性を説明しなければならない。》
※『コピー・カプセル』ハル・ステビンズ/著 小正幸造/訳 坂本登/訳

つまり、ヒトは「知性」と「感情」の2つの回路で物事を判断する。相手を倒す=商品の購入に導くためには、両方向からの攻撃が必要だ!ということです。

商品を「デジタルカメラ」として考えてみましょう。「最大50枚/秒の高速連写が可能!」とか「1000fpsハイスピード機能でスロー再生ができる」といった機能説明は、読み手の“知性”に訴える情報です。しかし、こうしたスペック要素をいくら並べても商品の購入には至りません。高性能は解ったけど、どんなときに便利なのか?そもそも自分に必要か?

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向田 裕(通販クリエイティブディレクター/コピーライター)
向田 裕(通販クリエイティブディレクター/コピーライター)

通販クリエイティブディレクター。コピーライター。1990年に総合通信販売会社カタログハウス入社。同社発行「通販生活」の商品ページの企画・商品コピーを担当。95年より読み物ページも兼務。主な企画に「筒井康隆さん、断筆をやめて通販生活に小説を書いてください」(読物記事&CM連動企画)。98年よりテレビコマーシャル制作を兼務 、「じゃぁ、どんな生活がいいの?」「ブッシュ大統領そっくりさんCM」「読者投稿によるCM大賞作」「通販生活の著名人シリーズ」などの企画に携わる。2003年『ピカイチ事典』リニューアルに伴いピカイチ商品開発チームに参加。05年より 「ネット編集部」編集長。2011年より広告企画室 ゼネラルマネージャー。2014年独立後、通販メディア各種制作、コンサルティングの分野で活動。セミナー講師。

向田 裕(通販クリエイティブディレクター/コピーライター)

通販クリエイティブディレクター。コピーライター。1990年に総合通信販売会社カタログハウス入社。同社発行「通販生活」の商品ページの企画・商品コピーを担当。95年より読み物ページも兼務。主な企画に「筒井康隆さん、断筆をやめて通販生活に小説を書いてください」(読物記事&CM連動企画)。98年よりテレビコマーシャル制作を兼務 、「じゃぁ、どんな生活がいいの?」「ブッシュ大統領そっくりさんCM」「読者投稿によるCM大賞作」「通販生活の著名人シリーズ」などの企画に携わる。2003年『ピカイチ事典』リニューアルに伴いピカイチ商品開発チームに参加。05年より 「ネット編集部」編集長。2011年より広告企画室 ゼネラルマネージャー。2014年独立後、通販メディア各種制作、コンサルティングの分野で活動。セミナー講師。

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