[経営者×クリエイターのアイデア会議]最高級国産絨毯「山形緞通」のブランディングデザイン

企業の未来を形作る構想を言葉やビジュアルで表現し、実現に向けて力を尽くす。そんなクリエイターとパートナーシップを結んで大きな変革に挑戦し、着実に成功を積み重ねている経営者がいます。

「伸びている企業の経営者のそばには、優れたクリエイターがいる」――経営者×クリエイターの二人三脚で他にない価値を生み出そうとしている事例を紹介します。

渡辺博明(オリエンタルカーペット・代表取締役社長)×西澤明洋(エイトブランディングデザイン・代表)

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──お二人が出会ったきっかけは?西澤

 日本の優れた伝統文化や技術を世界に発信しているキュレーターのような方がいらっしゃるのですが、その方が「オリエンタルカーペットというメーカーが作っている絨毯ブランド『山形緞通』は素晴らしい。海外に紹介したいが、今のままでは難しい。どうしたらいいか」と、相談に来られたんです。それなら直接、社長と話をしてみようということになりました。

渡辺

 山形緞通は日本で唯一、紡績(糸づくり)から染色、織り、仕上げの艶出し加工まで、すべて職人の手による一貫管理体制の下で絨毯を作っています。

これまでは、公共施設やホテルなど大規模建築物の内装材が事業の主軸でした。実は、新歌舞伎座のメインロビーや、東京都庁の絨毯も当社が製造・施工を手掛けたのです。

しかし、海外から安価な絨毯が流入してきたり、リーマンショック後の建設不況が続く中、将来を見据えたとき、「このままでは、我々のアイデンティティである『山形でのものづくり』を続けられなくなるのではないか」という危機感を持っていました。

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