脊髄反射から逃れることで、個性は伸びる
笹木:
僕たちのプログラムは、既存の教育とは一線を画する、個性に気づける学びがあるかもしれません。学生時代によりよい自分に出会うために、どうすれば個性が育つと思いますか。
中俣:
子どもの心に火がつく環境を用意するのは大人の仕事だと思っています。今の教育の、5教科をバランスよく平均点を上げる仕組みでは、特定の教科に突出した天才や、そもそも勉強に興味が持てない子には適合しない。でも、そういう多様な学習ニーズに応えるには今の学校だけでは難しい。子どもは空気を読むので、親や周りの「他の子と同じであって欲しい」という願いみたいなものも没個性につながっているように感じます。LITALICOで運営している学習教室の子供たちは、障がいがあるというより、むしろ個性豊かで、楽しくなければ「楽しくない」と言うし、空気なんて全然読んでくれない。でも、自分の興味関心が見つかって、自分なりの学び方がフィットすれば他の子の何倍も集中できる。そういう個性的な子供たちは学校には適応できていないことが多く、他の子と同じに出来ないことを親が恥ずかしいと思ってしまう。