2015年注目のデジタルマーケティングキーワード
「美しさ」の追求が新たな価値基準に
例えばここ30年程の間に、日本中を覆うように増え続けている高速道路。これは、豊かさや便利さを追求し続けてきた経済大国としての象徴とも言えるかもしれない。しかし、一体どれくらいの人々がその必要性を感じているのだろうか?
ZEPPELIN(ツェッペリン)代表取締役の鳥越康平氏は次のように語る。
「私は、高速道路で2時間かかる道のりについてUX視点で考えたとき、『高速道路をなくす』という発想をします。速さではなく、目的地までに通る町や村で起こるストーリーにこそ、価値があると考えるからです。つまり、その町特有の農作物や、その土地の人々との対話といった体験をデザインし、新しい体験軸を生み出すことで6時間かかる道のりは、無味乾燥な2時間の道のりよりも、はるかに温かく、出会いや発見の多い価値ある道のりになると思うのです。」
増やすのではなく、減らすことから価値を生み出すという、逆転の発想だ。
高度成長期以降、時代の流れは豊かさや便利さが最大の達成目標とされる傾向が加速し続けた。できるだけ多く、早く、何かを増やすことばかりを追い求めてきた。
しかし、モノにあふれた飽和状態を続けていくことが、これからの社会、私たちにとって本当に必要なことなのか。この問いに対し、同社は、「美しさ」の追求が新たな価値基準の一つになると提唱している。
