「屋上付き住宅1900万円」 “選べない”ことが価値を創造ープラスワンリビングハウス

株式会社宣伝会議は、月刊『宣伝会議』60周年を記念し、11月29日にマーケティングに特化した専門誌『100万社のマーケティング』を刊行しました。「デジタル時代の企業と消費者、そして社会の新しい関係づくりを考える」をコンセプトに、理論とケースの2つの柱で企業の規模に関わらず、取り入れられるマーケティング実践の方法論を紹介していく専門誌です。創刊号の記事の一部を、「アドタイ」でも紹介していきます。
詳しくは、本誌をご覧ください。

シリーズ:企業を変えた「売れ続けるための仕組み」

成熟化したと言われる環境下でも、新たな顧客を創造し、市場を創る経営トップがいます。そして、そこには瞬間的に売れるだけでなく、売れ続けるための全社を挙げた取り組み、さらには仕組み化があります。商品戦略、価格戦略、流通・販路戦略、プロモーション戦略に着目し、売れるためのアイデア、仕組みを解説・紹介していきます。

【バックナンバー】
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レディメードのパッケージ化戦略

写真は「プラスワンリビングハウス」のモデルルーム。購入者によって、屋上の楽しみ方も異なる。

写真は「プラスワンリビングハウス」のモデルルーム。購入者によって、屋上の楽しみ方も異なる。

人生の中で最も高価な買い物と言えば、住宅ではないだろうか。だからこそ、消費者は限りある予算の中でも、その仕様は複数の選択肢から自分の望むものを選びたいはず…。

そんな思い込みを覆す商品が人気になっている。その商品とは、1棟まるごとパッケージ化することで、屋上付き木造一戸建て住宅を1900万円で販売する(注)「プラスワンリビングハウス」だ。

しかも提案するのは建築資材、緑化資材を提供し、屋上緑化などを手掛ける東邦レオからスピンアウトしinnovation(イノベーション)だ。住宅業界は新規参入、成熟市場に超後発での参入である。

(注)諸経費込み、消費税抜き約32坪の概算価格。エリアによって、施工単価が異なるため価格に変動あり。

もともとは東邦レオの一事業部として始まった事業。2010年に屋上建築資材という同社の資産を活用し、99万円の屋上庭園「プラスワンリビング」を販売したところ、累計で4000世帯以上に購入されるヒットを記録。通常の屋根と同じ価格で、屋上庭園が手に入るというコスト優位戦略が勝因だった。

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