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ブレスト会議のファシリテーターが注意するのは「か・き・く・け・こ」

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【か】「課長的にはどうですか」

他にも「部長的にどうですか」など、肩書きで会話する人ばかりだと良い会議になりません。同じような意味で、「営業的にはどうですか」など、部署名で会話するのもNGです。

特にブレスト会議のような場では、役職や部門を超えてフラットな立場で話し合うことで新しいアイデアが生まれます。ところが、「課長的にはどうですか」と問われた課長さんは、課長さんっぽいことを言わなくてはいけないような気がしてしまいます。同様に、「営業的には」「マーケ的には」という質問をされた人は、部門の代表として答えなくてはならず、発言しにくくなってしまいます。

会議では、肩書きや所属を一旦外して、一人の人間として自由に話せる環境を作ることが必要です。私はクライアントの皆さんには、お互いを「○○さん」とさん付けで呼ぶことをルールとしてお願いしています。ちょっとしたことですが、それだけでも気分が大分違うようです。

ポイント:肩書きや所属は持ち込み禁止。

【き】「今日は何だっけ?」

手ぶら禁止。これは、博報堂のアイデア会議にとっては暗黙のルールです。特に若手が大量のアイデアを持ってくることは当たり前でした。

無い知恵を絞って事前に考えた上で先輩のアイデアを見ると、自分が全く思いもよらぬ角度から考えていて、「なるほど〜」と思うことがよくありました。そうやって、アイデアを360度全方位で考えて行くのがプロの仕事です。

事前に考え尽くしたメンバー同士だからこそ、会話の密度が高まります。もしも「今日は何だっけ?」というメンバーばかりだったら、情報の共有に時間を取られるだけでなく、出てくるアイデアも浅く偏ったものばかりになってしまいます。

3人よれば文殊の知恵と言いますが、事前に考え抜いた3人と、とりあえず集まった3人とでは、結果が違ってくるのは当然です。

ポイント:会議に参加する人は、手ぶら禁止!

【く】空気読んで発言する

空気の読み方にも色々あると思いますが、「会社的には○○すべきだよね」「基本的には○○すべきだよね」といった「べき論」が多い場合は要注意です。

私がファシリテーターとして一番大事にしていること。それは、参加者の本音をどうやって引き出せるかです。飲み屋で気心の知れた仲間と語り合っている雰囲気を、いかに昼間の会議でも作れるかが勝負です。

なので、会議の参加者には「会社としてどうす『べき』かではなく、一人のお客さんとして『こんなのがあったら欲しい!』と思うアイデアを出してください。論理よりも、直感を大事にしましょう」と最初に話します。

ちなみに、女性は自分の「したい!」を話すのが上手な場合が多い気がします。男性は論理的に説明できない意見を言うことに対してためらう傾向がありますが、本当に良いアイデアであれば、論理は後から勝手に付いてくるものです。

ポイント:「すべき」よりも「したい!」で話す

次ページ 「【け】「現実的には無理でしょ」」へ続く


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