OEM生産から脱却→自社ブランドへの切り替えで、どら焼き生産量世界ナンバー1に——丸京製菓「丸京庵」

株式会社宣伝会議は、月刊『宣伝会議』60周年を記念し、2014年11月にマーケティングの専門誌『100万社のマーケティング』を刊行しました。「デジタル時代の企業と消費者、そして社会の新しい関係づくりを考える」をコンセプトに、理論とケースの2つの柱で企業の規模に関わらず、取り入れられるマーケティング実践の方法論を紹介していく専門誌です。記事の一部は、「アドタイ」でも紹介していきます。
第3号(2015年5月27日発売)が好評発売中です!詳しくは、本誌をご覧ください。

産地や銘柄ではない、一次産品の新しい評価基準をつくった農家。

OEM生産が中心の経営から転換し、自社ブランドを立ち上げたメーカー。

それぞれのやり方で、新しいブランドをつくり、新しい販路を開拓した企業の事例を紹介します。

自社ブランドをつくり新しいお客さまと出会う

鳥取県米子市に本社を置く、1958年創業の和菓子メーカー・丸京製菓。製餡メーカーから出発したのち、40年間はOEM生産をはじめ、和菓子製造の下請けが事業の中心に。観光土産の下請けに始まり、1960年代にスーパーマーケットが登場するとプライベートブランド(PB)製品を手掛けるようになった。

そんな同社が、自社ブランドの立ち上げを構想し始めたのは1995年。3代目社長、鷲見浩生さんが就任したことがきっかけだった。「創業メンバーの高齢化により、組織の若返りを図ることになりました。当時35歳だった私が社長に就任し、新卒をはじめ若手人材を積極的に採用、社員の平均年齢は20代後半にまで若返りました。社長就任後4~5年は、従来と変わらずOEMやPBを手掛けていましたが、やがて若手社員の中から、『自分たちの名前で最終製品をつくりたい』との声が挙がるように。ちょうど、流通大手の業績悪化が言われ始めた頃でもあり、既存の販路に依存することへの危機感を感じました」と鷲見さん。価格を自社でコントロールできないOEM、PBから自社ブランドへ転換することで、利益改善の道筋をつけたい思いもあった。

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