2020年の「常識」を見据えた活動を

テクノロジーに対する社内啓蒙を積極的に行う

加藤:

デジタルテクノロジーの進化は著しいものがありますが、生活者へのアプローチを考える上で、今後どのような変化が起きるとお考えでしょうか。

上代:

ブランドによって課題は全く異なるので、課題に応じたメディア活用が求められていると思います。関連するブランドのコンテンツをいつ、どこで、どのデバイスから見ているのかということと、その場にふさわしいコミュニケーションは何なのか。それをいかに小気味よい速度で出していけるのかに注力しているところです。というのも、極端かもしれませんが、近い将来に「Webブラウザ」という存在はなくなるかもしれないと思っているのです。私は以前マイクロソフトにいたのですが、同社の「フューチャービジョン」という動画を見ていると、そこには「ブラウザ」は一切出てきません。それこそテーブルなどいろいろなものがデバイスになっています。今は、デバイスが違っていても、結局Webサイトにある情報を参照しているのですが、近い将来「Webを構成するコンテンツそのものを参照する」ようになるのではないかと考えています。そのとき、我々が全く意図しない形で情報が切り取られて発信されても伝わるコンテンツをどうつくるのか。東京オリンピックが行われる2020年のデジタルライフは相当進んでいるはずなので、その練習を今のうちに行わないと間に合わないと危惧しています。

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