9月16日に発売される『編集会議』2015年秋号では、「しらべぇ」編集長のタカハシマコト氏がタイトルづけについて解説します。発売に先駆けて、ここではタイトル以前に、そもそもニュースとは何か、どのようにニュースというコンテンツをつくるのかについて紹介します。
ニュースとは何か?
「ニュース」とは何でしょうか? 政治や経済、事件の報道? 歴史ある新聞社や影響力のあるテレビが伝えていること?
多くの人がスマホを持ち、情報がいつでもどこでも手元に届くようになった時代、僕はニュースという言葉の意味を以下のように考えています。
「同時にたくさんの人が『知りたい!』と思うこと」
その情報がニュースかどうかを決めるのは、ジャーナリストではありません。また、報道機関や提供社が決めるものでもない。たくさんの人が同時に知りたがる情報こそが、ニュースです。私見ですが。
スマホは、テレビの画面にリモコンがついたようなもの。チャンネル権は、ユーザーにあります。その情報が、ニュースとして価値があるかどうかを決めるのは、ユーザーなのです。
ちなみに、1人の「知りたい」に答えるのは、「検索」ですね。
「人が知らないこと」は、「つくる」もの
そんな時代に、Webメディアやニュースサイトに求められるのは、「他のメディアと異なる視点で、人々の知りたいことをつくる」こと。大事なことなのでもう一度言いますが、人が知りたがる情報は「つくる」ものです。
たとえば、秋に入って涼しくなれば、「半袖で出かけるべきか長袖にすべきか」迷うことがありますよね。こんなとき、「直近1週間の気温と半袖・長袖で出かけた率のデータ」が記事になっていれば、他の人の行動が洋服を切り替える参考になるかもしれません。