又吉直樹『火花』をめぐる編集者たち——森山裕之 × 九龍ジョー × 浅井茉莉子【前編】

衝撃的だった又吉直樹の文才

森山:

今日このイベントで何を話そうかと考えていたら、又吉くんへの想いがどんどんあふれてきてしまって、気づいたらノート4ページ分ぐらい書いてしまっていた(笑)。

僕自身の話になりますが、もともと文芸編集者になりたかったんですけど、新卒のときに就職に失敗して出版社に入れなかったんです。そして印刷会社に入社して、大手出版社の純文学の部署の担当になった。毎日毎日、文芸の部署に営業というか、ただ挨拶をしに行くんですけど、だいたい冷たくされるんですよね。仕事もないのに忙しいときに挨拶に来られてもまぁ迷惑だったなと。僕は当時、とにかく仕事の空き時間には本を読んでいて、純文学を中心に真剣に文学と向き合っていた。だから「俺の方が絶対文学のことを考えている」と本気で思っていたんです。

続きを読むには無料会員登録が必要です。

残り 1885 / 3182 文字

KAIGI IDにログインすると、すべての記事が無料で読み放題となります。

登録に必要な情報は簡単な5項目のみとなります

「AdverTimes. (アドタイ)」の記事はすべて無料です

会員登録により、興味に合った記事や情報をお届けします

編集会議スピンアウト企画
編集会議スピンアウト企画
編集会議スピンアウト企画
この記事の感想を
教えて下さい。
この記事の感想を教えて下さい。

このコラムを読んだ方におススメのコラム

    タイアップ