変わるべき編集者としての役割
森山:
最初に掲載されたのが、1月10日発売の『文學界』ですよね?
浅井:
そうですね。しかも年末なので12月半ばには校了しないといけなくて、あまり時間がなかったんです。だから又吉さんの判断スピードの早さには助けられました。疑問があるところに対して、どう修正するかの判断が早いんですよ。その場で「ここは直す、直さない」と決めてくださり、同時に「この場面はどういう意図ですか?」と質問すると、非常に的確に説明してくださいました。何を書きたいのかを明確に認識しているので、その場でのやりとりが非常にスムースでした。文章や小説に正解はないので、わたしは提案はしますが、基本的にはいつも、最終的な判断は作家さんにお任せしています。