編集2.0のキーワードは“コミュニティ”!?
――これからの編集を考える上で、“コミュニティ”は一つのテーマになりそうです。
佐藤:
『編集会議』のなかで、コルクの佐渡島庸平さんも“コミュニティ”をキーワードに挙げていましたね。
稲着:
メディアがコミュニティを持つという発想自体は決して新しいことではなく、むしろ先進的なのは出版社なんじゃないでしょうか。これまでも女性誌が読者をコミュニティ化してイベントを行うなどはしていました。その他、企業がソーシャルアカウントを運用して数万人のファンとつながるといったことも5、6年前からすでに言われていることですよね。ただ、「コミュニティを編集する」という考え方は今後ますます重要になってくると思います。いまは個々人が発信する情報が届きやすく、かつ大きくなっているので、コミュニティを持ったとして、それをどうまとめるのかが問われます。たとえば、尖っている声があるとして、まとめようと調整をしすぎれば尖りがなくなってしまう。でも尖っている声ほど魅力的だったりするわけで、その声を生かしながら一つのコミュニティを仕立てていくという、それ自体が編集であるからこそ、コミュニティと編集はセットで語られやすいのだと思います。
