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コラム

i(アイ)トレンド

Digitize or Die: ワールド・マーケティング・サミットで見えてきたマーケティングと経営の融合

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今回の大テーマ「マーケティングと資本主義の蜜月関係」

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資本主義は今や多くの国で取り入れられており、他の社会システム(共産主義、社会主義など)よりも多彩な商品をつくり出すことができる。ただし、多くの商品を存在させるためには、それだけ多くの需要をつくり出すことが必要になる。

したがってコトラー教授の主張は、マーケティング無しでは資本主義は成立しえない、資本主義の原動力はマーケティングによって支えられている、というものである。マーケティングと資本主義は大きな問題に直面しており、解消しないと人々の反発を喰らうだろうとしている。

その問題とは、収入と富の分配の不公平であり、例えば米国では平均的なCEOは平均的な労働者の300倍の報酬をもらっているが、その差は縮まないといけないとしている。SEC(米国証券取引委員会)では平均的な従業員とCEOの報酬の差を開示することが義務化される動きが出てきているということだ。

数々の心に残るプレゼンテーション

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今回のサミットでも心に残るセッションが多数あったが、ハイライトしたいのはラジュ・シソディア氏(Conscious Capitalism Inc. 共同創業者&共同理事)の提唱したマーケティングの4Aを直に聞けたことである。4Aに関してはアドバタイムズにも記事があるのでそちらも参照されたい。

一般的にマーケティングで使われているのは4Pという概念でありこれを提唱したのはジェローム・マッカーシー教授だ。そして、それを世に広く広めたのがフィリップ・コトラー教授である。4PとはProduct (製品)、Price(価格)、Place(流通)、Promotion(販売促進)であり、企業視点で要素を分解したものである。今回提唱されている4Aに関しては消費者視点で見たものということである。

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4AとはAcceptability(受け容れやすさ)、Affordability(負担しやすさ)、Accessibility(入手しやすさ)、Awareness(知名度)である。コトラー教授は4Aは4Pと補完関係にありチェックリストとして使えると話していたがその点を筆者なりにチェックリストにまとめてみた。4Pのチェック項目として使ってみたらいかがであろうか。

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マーケティングの4A以外にも、今回のサミットは非常に発見が多かったが、今回の記事はまず全体像と本件をお伝えすることにする。

最後にアンバサダーとして参加したのでコトラー教授をはじめとして多くのマーケティングの大家と直接触れ合うことができたことが素晴らしい体験となった。

ここまでにしたいと思います。
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写真はアドバタイムズのコラムがきっかけでできた次世代マーケティングプラットフォーム研究会のペナントを持つ筆者とコトラー教授。