寺田倉庫は創業以来、倉庫業界の常識を打ち破るサービスを実践し続け、顧客からの信頼を勝ち得てきた。個人向け収納事業においては、利用者の箱を開けるという、業界では高リスクと思われてきたことにあえて挑戦し、2012年に「minikura(ミニクラ)」サービスをスタート。現在は1000万点以上のアイテムを預かっている。ほかにも、アートやワインなどを軸に、ただ預かるだけではない独自のサービスを開発し事業を拡大させている。
ここでは『販促会議』11月号で掲載された内容を転載します
月森正憲(寺田倉庫 執行役員)
利用者のかゆいところに手が届くサービス
寺田倉庫は1950年の創業。食糧庁の指定倉庫となり、米の保管業務を始めた。創業以来、預かる物にとって最適な空間・環境作りと、大手の倉庫会社が苦手としてきたきめ細かい対応を手がけ続けてきたのが同社の特色だ。寺田倉庫 執行役員 月森正憲氏は「単に荷物を預かるだけでなく、利用者にとってかゆいところに手が届くサービスを行ってきました」と話す。
例えば、製造業で使用する部品を扱った際は、海外から輸入された荷物の梱包を解き、国内にある数か所の工場に向けて、必要な部品を必要なタイミングで発送するサービスを行ってきた。
サービス内容だけではなく、事業の範囲も従来からの倉庫業務を基盤にして拡大させてきた。1975年には美術品・貴重品の保管事業を開始。1983年には映像フィルムや音楽メディアなどの保管業務を、1994年にはワインの取り扱いをそれぞれ始めた。
預かった箱を開けて撮影既成概念を取り払う
minikura(ミニクラ)
ミニクラの保管倉庫。預かった箱は大切に保管。料金は1箱あたり月額250円。アイテムの写真撮影が不要で、箱を預けるだけならば月額200円だ。利用者は全国にいるが、住宅事情などの関係から首都圏居住者が比較的多い。ひとりあたり平均3箱預けているという。
ミニクラの保管倉庫。預かった箱は大切に保管。料金は1箱あたり月額250円。アイテムの写真撮影が不要で、箱を預けるだけならば月額200円だ。利用者は全国にいるが、住宅事情などの関係から首都圏居住者が比較的多い。ひとりあたり平均3箱預けているという。
寺田倉庫が今、力を入れている事業のひとつに、コンシューマー向けサービス「minikura(ミニクラ)」がある。利用者から送られた荷物を、寺田倉庫側で箱を開けて中のアイテムを1点1点撮影し、利用者はウェブ上のマイページで、自分が預けたアイテムを写真とともに管理できるというサービスだ。預けたアイテムは、マイページ上から細かな設定を行うことなく、手軽にヤフオク!を利用して販売することも可能だ(ヤフープレミアム会員登録が必要)。
