コラム

箭内さん!聞かせてください。今日このごろと、広告のこれから。

箭内さん!賞って、クリエイターにとって絶対に必要なものですか?

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【前回コラム】「箭内さん!最近、“ソーシャルグッド”な仕事が増えていませんか?」はこちら

——唐突ですが、箭内さんって、広告賞の受賞とは無縁のイメージがありますよね。テレビをはじめメディアに多く出演していて、有名なわりに、というか…(笑)。

鋭いですね(笑)。僕は賞を獲ったこと、ないんです(笑)。以前、あるコラムニストの方に、「広告業界の人のプロフィールって、どうしてみんな受賞歴なんですか?」と不思議がられたことがあるんですが、確かに受賞が大きな基準になるこの業界では、僕みたいな感じは珍しいかもしれない。2020年東京オリンピック・パラリンピックエンブレムの最初のコンペに参加する資格もありませんでした。

広告賞って、基本的にはエントリーなんですよね。ノミネート方式じゃなくて、自分で応募する。若い頃は、散々エントリーしたんだけど、ひとつも入らなかった(笑)。

そうだ、TCC賞を一度だけいただいたことがあります。樹木希林さんと一緒につくった「PHOTO IS」(富士フイルム)。どうしても希林さんと一緒に獲りたかったっていうのがあって、応募したんです。でも当時の審査委員長の方針で、連名受賞は禁止、ということで希林さんと一緒に受賞できなかった。希林さんが外されちゃったんだよね。

「PHOTO IS」は、二人で部屋にこもって、一緒にナレーションをつくったの。途中、娘さんの也哉子さんに電話して意見を聞いたりしながら。ゼクシィのときもそうだったんだけど、希林さんは「あなたが一人で考えたって言わなきゃだめよ」って、いつも言うんだけどね(笑)。

それはそうと、広告の世界が、受賞以外にもデビューの仕方がもっといろいろある世界だったらいいな、とは思う。

正直に言うと、賞をたくさん獲っている人たちからすると、僕はすごく下手だと思われていると思う。それも嫌じゃないんだけど、ちょっとだけ悔しいし、それ以外のところで自分の存在感をどう出せるのかっていうのは、常に考えていることです。

富士フイルム「PHOTO IS 家族」篇。
富士フイルム「PHOTO IS 私」篇。

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