総合PR会社のベクトルは2015年12月、マイクロアドデジタルサイネージ(以下MADS)との業務提携を発表した。なぜPR会社がデジタルサイネージを手掛ける企業と提携するのか。その狙いを、ベクトルグループのビデオワイヤー 代表取締役 杉浦健太氏と、MADS 代表取締役CEO 穴原誠一郎氏に聞いた。
左から、MADS 代表取締役CEO 穴原誠一郎氏とビデオワイヤー 代表取締役 杉浦健太氏。
デジタルサイネージを活用した「新しいPR」
—なぜベクトルがデジタルサイネージを提供しているMADSと提携に至ったのか、その背景から教えてください。杉浦:
もともとベクトルでは、マイクロアドと一緒にニューステクノロジーという合弁会社を設立しています。私もその取締役として加わり、ベクトルで制作したPR動画をマイクロアドのアドネットワークを通じて配信していました。今回はさらにWebのみならず、サイネージにもその動画を流せるようにしたいと考えたのです。
穴原:
デジタルサイネージは、簡単に言うと屋内・外にあるディスプレイ。そのため、クリエイティブの多くは静止画ではなく動画になります。今回、業務を一緒に取り組むベクトル子会社で杉浦さんが率いているビデオワイヤーは、ニュースリリースを動画にして配信する「ビデオリリース」というサービスを提供しています。「動画」という共通点から、かなり相性がいいのではないかと、2015年初頭から話を進めてきました。
—具体的には、どのような事業を展開されていくのですか? 杉浦:
我々ビデオワイヤーが作った動画コンテンツを2つ方法でMADSのデジタルサイネージに流します。一つ目はMADSのデジタルサイネージ・ネットワークの広告枠に配信する形、もう1つは「外テレ」のコンテンツとして放送する形になります。
MADSは現在、約6万ディスプレイをネットワークとして保有している。この中には、飲食店や美容室、ゴルフ場、書店、ネイルサロン、喫茶店などが含まれている。
穴原:
「外テレ」とは、ニュースや天気、エンタメなどいくつかのジャンルのコンテンツを、サイネージの設置場所のオーナーさんが自由に選んで配信できるサービスです。オーナーさんは、管理画面上で広告枠を設定するだけで、広告ビジネスを開始することができます。ビデオワイヤーで制作した、企業ニュースもここに流していくことで、コンテンツとして楽しんでもらえます。