——同時期に始まったミニ番組「きょうの、あきない」も、撮影対象は市井で働く人たち。これはどのように企画が生まれたのですか。
じつは、もともと伊藤忠商事は「あきないのふうけい」という番組を制作していました。その番組をリニューアルするにあたり、世の中にあるさまざまな“商い”を紹介する番組をつくろうと考えたんです。
僕が最初に書いた番組コンセプトは、「商人は職人と何が違うのか」「商人は何かと何かを交換する仕事だ」ということ。商人のキーワードは、“交換”。職人のようにつくりあげる行為とは違い、商人の仕事には「何かを交換する」行為がある。目に見えるものから見えないものまで、「お金ではないものも含めて、交換する職業である」ということをまずテーゼとして掲げ、それに沿って、いろいろな商いを取材することにしました。僕以外に、若手ディレクター5人が参加して、取材、撮影、編集までを手がけています。
