CRMに高い関心を持つ来場者で会場は満席。
商品・サービスの差異化が難しくなる中、顧客と長期的に良好な関係を築き、売上を向上する「CRM」の重要性は増している。専門知識が必要な印象の強いCRMだが、何から始めればいいのか。JTBベネフィットは2月、セミナーを開催した。
JTBグループが考えるCRMとは
ポイントサービス「サンクスコレクト」は、来店時などにポイントを付与し、商品と交換。顧客のロイヤルティアップにつなげる仕組み。
「CRMとは顧客満足・顧客ロイヤルティを通じて、売り上げの拡大と収益性の向上を目指す活動。囲い込みや顧客単価の向上を目指すだけでは成し得ることはできない。注力すべきは、顧客視点に立って満足度を高め、長期的な関係の中で顧客との関係性を向上させること」。
ジェイティービー(JTB)旅行事業本部チームマネージャーの町田忠氏は講演でこう強調した。
JTBグループでは、サービスによる「好感体験」を、基本的価値と情緒的価値の二つに分けて捉え、この二つの価値を常に意識し、顧客との関係を向上させることに努めているという。
「基本的価値」とは、顧客が期待し、提供されなければ不満に思うレベルになるもの。「情緒的価値」は、その上の「必ずしも期待してはいないが感じることで好感を覚えるレベル」であり、例えば記憶に残る感動的なサービスは、顧客の特性やTPOに応じるのが定石だ。