マーケターの役割は、企業が「消費者にとって意味ある存在」になるのを手助けすること

5月30日から6月2日の4日間、東京・六本木の東京ミッドタウンをメイン会場に「Advertising Week Asia(アドバタイジング ウィーク・アジア)」が開催された。今秋12周年をニューヨークで迎えるアドバタイジングウィーク。毎春ロンドンで開催されるアドバタイジングウィーク・ヨーロッパに続き、今年から新たにアジアで開催されることとなった。
期間中の動員数は約1万1000人。ブランドマーケターを中心に、クリエイティブエージェンシー、メディアエージェンシー、デジタルエージェンシー、メディアカンパニー、 テクノロジストなど、さまざまな立場のキーマンが一堂に会し、グローバル/アジアパシフィックエリア共通の課題や、先進的な取り組みを共有した。
ここでは、キャンベルのソーシャル&デジタルマーケティング統括者による「Perpetual Relevance(永続する関係性)」をテーマとした講演のレポートを、登壇者への個別インタビューの内容と合わせて紹介する。

デジタルマーケターは、ブランド再生の請負人

長年にわたり、デジタル領域を含むマーケティング業務に関わってきたUmang Shah氏。現在は、アンディ・ウォーホルも描いたスープ缶でおなじみ、150年の歴史を持つ食品会社のキャンベルで、ソーシャル&デジタルマーケティ ングを統括している。

キャンベルのようなビッグブランドにおけるデジタルマーケターの役割とは 「テクノロジーの力を活用してイノベーションを起こし、『企業がもう一度、消費者にとって意味のある会社になること』 を手助けすること」だとShah氏。同氏はこれまで、マイクロソフト、ウォールマートといったさまざまな業種業態の企業でマーケティングに携わり、ブランドを再生させてきた。

Shah氏は、ブランドが消費者にとって「Stay relevant(関係性、意義のある状態)」であり続けるための原則を提示した。

(1)Hard decisions(難しい決断):

過去の成功体験に安閑としてはいけない。物事が軌道に乗っているときこそ、難しい決断をすべき。英レストラン誌が選ぶ「世界のベスト・レストラン50」で過去5年間に第1位を4度も獲得したデンマークのレストラン 「noma(ノーマ)」は、顧客に持続的に受け入れられる店となるべく、本店を閉店。シェフがスタッフ全員を引き連れ、東京に期間限定の出張レストランを出店している。

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