ブランディングの本質
ではブランディングの本質とは何か。松岡氏は、日本においてブランディングがどのように受容され、広がっていったのかについて触れながら講義を進めた。
「戦後の民主主義教育を受けた第一次ベビーブーム世代は、高度経済成長により所得が増えたこともあり、自由に商品を選べる消費者として登場しました。この世代の特徴は、既存の消費者が変化したのではなく、新しい消費者の層として出現したことです。彼らのような『新世代消費者』は、消費を通じてアイデンティティを形成したという点でも画期的です。つまり、自分を表現するための手段としてブランドを求め、 そのブランドを消費することでアイデンティティの差別化や同化を図りました」(松岡氏)。