ヤフーが「スポンサードサーチ」に再注力、精鋭チームを結成した狙いを聞いた

めまぐるしく変化するデジタルマーケティングの世界で、2002年のローンチ以降、多くの企業で活用され続けている、検索連動型広告「スポンサードサーチ」。検索結果に連動する広告というシンプルでインパクトのあるフォーマットは、今や「ネット広告の基本」にも位置付けられている。そんな広く受け入れられているスポンサードサーチだが、長い歴史を持ち、多くの広告主が活用しているからこそ、直面していた壁もあったという。この春、ヤフーにスポンサードサーチのスペシャリスト集団が新たに生まれた。なぜ、いまヤフーがスポンサードサーチに注力するのか、その集団を牽引する二人に話を聞いた。

ヤフー株式会社 マーケティングソリューションズカンパニー 検索連動型広告 サービスマネージャー 齋藤菜津子氏(左)とマーケティングソリューションズカンパニー 営業推進本部長 中島みき氏(右)。

ヤフーがスポンサードサーチに改めて注力する背景

—なぜヤフーが改めてスポンサードサーチに注力することになったのか、まずはその背景から教えてもらえますか?

齋藤:スポンサードサーチは2002年に提供が開始されましたが、2016年現在でもヤフーの屋台骨であり、重要な商品であることには変わりありません。ところが、様々な新機能をリリースしてもお客様に浸透しきれていなかったのが正直なところです。改めて、既存のお客様の掘り起こしや、再提案していく中で新たな価値が生まれてくるのではないかと考え、私たち開発部門と営業部門で、今回の新たな組織「カテゴリーインサイト部」の結成に至ったのです。

Yahoo! JAPAN スポンサードサーチ

—それは、どのような組織なのでしょうか。

中島:スポンサードサーチをはじめとする運用型広告の提案を専門とする精鋭チームです。現在15名ほどのメンバーがおり、長年スポンサードサーチやYahoo!ディスプレイアドネットワーク(YDN)の提案をしてきた商品に詳しいメンバーから、オンラインセールスを担当し、分析や調査に長けたメンバーまでいます。

また、営業部門や開発部門の責任者が兼務という形で加わっており、ヤフーのスポンサードサーチへの本気度が伝わるチーム編成です。

—ヤフーの意気込みが伝わりますね。その精鋭チームでは、どのようなことを担当するのでしょうか?

中島:スポンサードサーチのシステムが高度化し、大量のデータによる学習能力の向上が可能となることで、自動化された運用でもマニュアルでの運用結果を超える成果を出すことができるようになってきています。

通常、スポンサードサーチは広告主や広告会社の担当者など「人」が運用しているケースが多いので、この進化したシステムを使いこなす方法を、私たちが自らお伝えしていくことが、今回の組織の大きな目的の一つとなっています。

ヤフー 齋藤菜津子氏

齋藤:そうですね、今までは「人が入稿、入札して」というのがベーシックな形でしたが徐々に自動化が進んでいますし、スポンサードサーチローンチ当初は無かったターゲティングの機能も充実してきています。

より良い成果を出すために、組み合わせを検討すべき機能群が複雑化していることもあり、過去の運用検討視点に加えて、“どこを自動化して、どこを手で補うのか”“どういったセグメントで、ターゲティングするのか”といったような様々な視点での検討が必要になっています。そのお手伝いを、我々がしっかりやっていくことが大切だと考えています。

—これまでのやり方に固執するのではなく、テクノロジーの進化に合わせて、スポンサードサーチの運用手法も変えていかなければいけないということですね。具体的に、どのようにサポートしていくのでしょうか?

中島:大きく2つに分かれます。

ヤフー 中島みき氏

1つ目は、新しい機能の使い方やストラクチャー(階層構造)の最適化について、お客様に合わせてご提案いたします。やはり長年運用されていると、それぞれの企業ごとにノウハウを溜め、独自で進化しているケースが多いです。お客様のパフォーマンスを見ながら、今のスポンサードサーチのシステム特性にマッチした構造に最適化していけるよう、膝を突き合わせて行っています。

2つ目は、1つ目で申し上げた、システムの仕様や思考を理解していただいた後に、より効果を出していくために、ヤフーのデータを活用しながら、お客様の課題に向き合った個別のご提案をしていきます。見た目のクリエイティブやキーワード選定だけでなく、入札についても、弊社内で検証を重ねた手法をお伝えしているので、確実に改善につながっています。

次ページ 「どんな成果につながるのか?」へ続く



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