マーケターが押さえるべきデジタル時代の最新トレンドを、アイ・エム・ジェイ(IMJ)のCMO、江端浩人氏が数号に渡り紹介する。
何故今、グローカルか?
世界は情報通信や輸送技術の発達によりつながって来ており他国の影響を全く受けない領域はないのではないかと思われる状況になってきた。イギリスがEUを去る「Brexit」は日本も含め多くの諸外国でさまざまな影響を与えてきた。
筆者は数社のグローバル企業での勤務を経験してきたが、世界展開における考え方が企業によってまちまちなことがある。コストやオペレーションだけ考えればCMS(Contents Management System)などを導入して中枢で一括管理して、各地域の言語対応をするほうが効率的と一般には考えられる。このアプローチは「情報伝達」の意味合いからの整合性が高く、企業情報等かなり明白な事実に基づく場合には機能するであろう。
しかしながら、製品やブランドといったイメージを伴うものを消費者や顧客に伝達する際にそれは十分といえるのであろうか? ある程度の先進国であればビジネスでの慣習にそう大きな差はないが消費者の生活様式や考え方、食習慣や信仰など、文化においては大きな差異があることが多い。場合によっては文字を書く向きも違っているのである。
そのように対消費者においては特に大きな違いがあり、ある国で上手くいく施策も他の国では全く効かない、むしろ逆効果の場合もあるので気を付けて取り組まねばならないだろう。