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デジタル最前線 vol.3 グローカルサイト

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CASE STUDY

調査設計からデザインまで
一貫した体制でグローバルサイトを構築

右から、日本航空 藤田亘宏氏、日本航空 小吹有香氏、アイ・エム・ジェイ プロジェクトメンバー。

グローバルサイトのあるべき姿とは日本航空株式会社(JAL) は、2015年に日本国内向け航空券販売サイトをリニューアル。さらに今年4月には、45カ国11言語を有する海外向けサイト(グローバルサイト)のリニューアルも実施した。

グローバルサイト構築のキーとなったのは、海外顧客に向けた徹底的な調査と、その声を重視した設計・デザインの制作フローだった。

リニューアルを主導したのは、同社Web販売部に属する海外Webグループ。海外における「航空券の販売」を最大ミッションに、海外に特化したチームとして設立された。

グループ長の藤田亘宏氏は、今回のグローバルサイトのリニューアルについて、「4年ほど前、初めてグローバルサイト立ち上げた際は、国内向けサイトのローカライズをしてリリースを行いました。ただ、理想としては、海外顧客にとって日本と同様の仕様が最適なのか検証する必要があると感じていました。昨年あたりからインバウンドの需要が高まってきたことや、2020年の東京五輪に向け今後さらに訪日外国人の増加が見込まれるこのタイミングで、海外顧客についてもっと知ろうと考えました」と話す。

続けて、「海外に最適化されたサイトを目指すこのプロジェクトは私たちにとって新たな試みで、失敗する可能性もありました。できる限り次につなげる取り組みにするために、きちんと顧客の声を聞くことができる調査を実施することが重要と考えました」と藤田氏は話す。

そこで肝となったのは、アメリカ、フランス、シンガポール、中国など4カ国への現地調査。「まず、デザインについてJALが目指すブランドの世界観を表現するため、いくつかのイメージキーワードが設定されています。国によって言葉やイメージの捉え方が違うはずなので、その差異を抽出するための調査を検討しました」と同グループ 小吹有香氏。

調査時は、参考サイトやモックデザインなどを使いながら各種設問を確認し、ブランドイメージの向上に寄与している要素や、各国ごとの感じ方、傾向を確認。よりよいユーザビリティの実現のために、実際に航空券購入操作の観察とインタビューも実施し、国ごとに操作感の違いや、傾向などを確認していった。

制作過程で顧客のイメージを深め、さらに新デザインについて議論を重ねる中で “日本らしさ”をより強く打ち出すことが重要であるという考えに至ったと小吹氏。「海外のお客さまに、日本のよさ、日本に行きたいと感じてもらう機会をつくることも私たちの部署が担う重要なミッションです。そのために、日本への興味を高め、旅情を感じてもらえる表現が大事なのではと考えました。

その点についても、気づきがあったらすぐに調査に設問を追加して、顧客の声を拾うことができました」。

調査後は、結果に応じた、画面設計やデザインに落とし込みながら制作を行った。「調査から導き出されたアウトプットは、各国でまったく異なり、発見がありました。実施項目に優先度や実施可能度など指標をつけ、1つずつかたちにしていきました」と、小吹氏。

今回のプロジェクトでは、調査の設計から、画面設計、デザインまでをIMJが一貫して行ったが、藤田氏はその体制を評し、「当社のことをよく理解いただいた上で、調査設計、サイト設計までを同じチームがワンストップで対応していただき、各プロセスにおいて、納得感をもって進めることができた。強固なパートナーシップを築くことができたと思います」と語る。

最後に小吹氏は、「拡張を見据えて、メンテナンスしやすいつくりにしていただきました。今後も顧客の声を聞きながら、さらに喜ばれるサイトになるよう磨いていきたい」と、今後の展望を語った。



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株式会社アイ・エム・ジェイ
http://www.imjp.co.jp/