“検索”より前に生活者へリーチ 商品をレシピと組み合わせ提案
キリンは、「氷結」シリーズから、新商品「氷結®ストロング グルメ」を2016年9月に発売。プロモーション施策として発売前より、料理動画を活用したブランドコミュニケーションに取り組んだ。その施策の裏側を、デジタルマーケティングを担当したキリンの加藤美侑氏、高柳裕行氏、エブリーで「DELISH KITCHEN」の編集長を務める菅原千遥氏に聞いた。

競争激化のRTD商品を食シーンの中でアピール
ここ数年で急速に市場を伸ばしているRTD(ready to drink)。市場の過熱化が進む中、キリンビールは2016年9月6日より新商品「氷結®ストロンググルメ」を発売。多くのRTD商品が、最も売れ行きの良い夏の暑い時期にマーケティング投資をするなか、マスに代わるコミュニケーションとして、「DELISH KITCHEN」の料理動画コンテンツを活用した。
これについて、商品プロモーションを担当する、キリン デジタルマーケティング担当の加藤美侑氏は、「商品としても、コミュニケーション戦略としても挑戦だった」と振り返る。
加藤:
「氷結®ストロング グルメ」は、「食事をおいしくする」をコンセプトに開発された商品です。通常の「氷結」よりも、食事を引き立てるすっきりとした味わいが特長になっています。ただ、『食事』をおいしくするとこちらが言ったところで、お客さまには伝わらない。実はグルメエッセンスという新成分が入っており、料理に合う味になっているという根拠も持っているのですが、それを言葉で説明しても、分かっていただけないと考えていました。
そこで、商品発売前に「氷結®ストロング グルメ」に合うレシピを「DELISH KITCHEN」で紹介し、食シーンの中で商品を訴求する施策を考えました。