何もない空中に映像が浮かび上がる新技術を開発、革新的な広告の未来を創るアスカネットを取材した

何もない空間に突如として映像が浮かび上がり、目の前の人が手を触れるとインタラクティブに反応する……。2054年の未来を描いたトム・クルーズ主演映画『マイノリティ・リポート』で登場するワンシーンを思い出す。そんなSF映画の中でしか見られなかったことが、今や現実のものになりつつある。

写真や映像の表現を専門にするアスカネットが開発した「エアリアルイメージングプレート(AIプレート)」は、これまでにない方法で空中に映像を結像させることに成功した。この近未来的な新技術は広告やプロモーションのあり方を変える可能性を持っている。そこで、アスカネットの代表取締役社長兼CEOの福田幸雄氏に詳しく話を伺った。

SF映画の世界が実現された

—“もう一つのAI”として開発された「エアリアルイメージングプレート(AIプレート)」は、何もない空中に映像を映し出すことができる新技術と伺っています。近未来的のSF映画をイメージしてしまうのですが、これはどのような特徴を持った製品なのでしょうか。

アスカネット 代表取締役社長兼CEO 福田幸雄氏

簡単に言うと、スクリーンが存在しない空中に映像を映し出すことができる製品です。類似の技術にホログラムがありますが、これは大変高額な設備でレーザー光を照射する必要がある上、結像できる映像も限られているのが現状です。

一方で、「

エアリアルイメージングプレート

」はレーザーやプロジェクターで映像を照射するのではなく、「受動式」という方法を用います。これは物体からの反射光をAIプレートに通すことで物体の反対側に画像が戻り、再度結像するというものです。そこで、iPadやディスプレイなどのモニターに映し出した映像を「エアリアルイメージングプレート(AIプレート)」を通すことで、簡単に空中に浮かべることができます。また、コップなどの実物も反射光により3次元で空中に結像します。

エアリアルイメージングプレート(AIプレート)。

—-どういった経緯で「エアリアルイメージングプレート(AIプレート)」を開発したのでしょうか。

当社はもともとデジタル写真の加工やフォトブック制作など画像や映像に関するビジネスを行ってきた会社です。競合各社も同様のビジネスを始める中で、差別化を図るべく新技術を模索していました。そんな折、2010年に画像を空中で結像させる特許技術を持つ方と知り合いになりました。当初はビジネス化できる段階ではありませんでしたが、この技術をどうにか生かせないだろうかと考えたのが始まりです。

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