「ブランディング」と聞くと、パッケージデザインやロゴマークなど、目に見えるものの体裁を整えることをイメージする人が少なくないのではないだろうか。数々の企業のブランディングを支援してきたフラクタは、ブランディング成功のカギは「その企業の組織をどうつくるか」にあると強調する。
「ブランドとは、企業そのものだと思います」–そう話すフラクタの河野貴伸社長は、さまざまな業種・規模の企業のブランディングを支援する中で違和感を覚えることがあったという。
例えば、ブランドのコンセプトに沿ってつくり上げたはずのECサイトが、1年ほどの間にみるみる形を変え、2年経つ頃には跡形もなくなってしまうことがあった。
外部から強い力を加える“歯の矯正”のようなことをしても上手くいかない。組織自身にブランドを維持し、改良し、アップデートしていく文化が根づかない限りは、ブランディングは成功しない。ブランディングを成功させる上で最も重要なのは、それを進める「組織」だという確信を強めていったという。
「我々が担うべき役割は、ブランドというロケットを飛ばすためのブースターのようなものと思っています。『全部、フラクタにお任せ』では、その後も長く続くブランドをつくり上げることはできません」 と河野社長。ブランドを運営していく組織全体が同じ方向を向く必要があり、経営者を中心に社員全員が意識を揃えることが重要だと強調する。
こうした中、フラクタが近年、ブランディング支援において最も力を入れ ているのが、ブランディングを担う組織(チーム)をつくること、そしてチームのメンバーを教育・育成することだ。
