アウディジャパン、良品計画、大広が語る「ロイヤル顧客を生み出すためのブランドのつくり方」

日本国内の人口が減少し、市場の縮小が予想される中で、これまでと同じ手法で新規顧客を開拓することが難しくなっている。そこで今後、企業が強化したいのは、既存顧客へのアプローチだ。しかし、顧客情報を保有していても、既存顧客と適切な関係が構築できていないケースも少なくない。では、自社の顧客にどのように働きかけて関係を構築すべきなのだろうか。そのヒントを提供すべく、2017年3月9日、大阪・中之島で「ロイヤル顧客を生み出すデータマネジメント」と題したセミナーが開催された。
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アウディジャパンが語る「CRMの目的はブランド資産の構築」

セミナーは、アウディジャパンのマーケティング本部デジタル&CRMマネージャー・井上大輔氏による「拡大するCRMの地平線 LTVだけに留まらないKPI設定で差を生む」と題した講演で幕を明けた。

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アウディジャパン マーケティング本部デジタル&CRMマネージャー 井上大輔氏

冒頭で井上氏は、「CRMの成功事例はほとんどこの世に存在しない」と問題提起。その理由として、「LTVやNPS®などの顧客ロイアル度が指標になっていないものをCRMと呼ぶことはできないなか、ポイント施策やMAの導入などいわゆるCRM施策の多くがPL上の売上向上を指標としている。成功事例は多いとしても、それはあくまでセールスプロモーションとしての成功事例だ」と解説した。

本来のCRMは、既存顧客のロイヤルティという「資産」を構築する施策であり、その意味ではPLマターではなくBSマター。同じくPL上の売上のみならず「資産構築」を目指すブランディングと似た概念であると説明した。しかし、顧客資産指標は定量化こそできるものの、金額化が不可能なため苦労するという。

「CRMの成果を測る指標としてよく挙げられるものがLTV・NPS®・CSである。しかし、いずれも資産として明確に『金額化』することができないため、CRMの投資対効果はなかなか測られにくい。この状況ではCRM施策の価値を伝えることが難しく、だからこそ企業はセールスプロモーションと同じKPIを追ってしまう」。

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