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博報堂 アジア全域の共同CCOにヤン・ヨウ氏と木村健太郎氏が就任

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左から木村健太郎氏、ヤン・ヨウ氏

アジアの博報堂の拠点を回る「100日プラン」を実施

シンガポールに生まれ、ファロン、TBWA、JWT、ワイデン+ケネディなど数々のグローバルエージェンシーで要職を歴任してきたトップクリエイターのヤン・ヨウ(Yang Yeo)氏が、4月1日付で博報堂のAPAC Co-CCO(アジア全域の共同チーフクリエイティブオフィサー)に就任した。

共にCo-CCOを務めるのは博報堂ケトルの木村健太郎氏。2人体制で博報堂のアジア全域の統合マーケティング力強化に取り組み、日系クライアント・外資系クライアント双方のニーズに対応していく。

2人は2009年にアドフェストで共に審査員を努めて以来交流を深め、今回のAPAC CCO就任につながった。ヤン氏は博報堂への参加について「長年の友人である木村健太郎さんと一緒に仕事をすることに興味があった。また、北風勝さん(取締役常務執行役員、ワールドワイド CCO)はじめ、トップマネジメントが誠実で信頼できる人たちだと感じられた。そして、博報堂の将来性。この3つが参加の理由。博報堂は海外拠点を既に多く持っているが、さらに強化していきたいと考えている」と言う。

現在、ヤン氏は木村氏と3カ月かけて同社の海外拠点を視察して回る「100日プラン」を実行している。それぞれの拠点にいるスタッフ、そしてクライアントの状況をまずは直に見て把握するという。「基本的に、現場のクリエイティブチームの仕事には逐一関与はしない。ただ、各拠点でレベルがバラバラなので、そこを揃えていくのが私の仕事。ネットワーク系エージェンシーのやり方をただ輸入するのでなく、博報堂のスタイルを生かしていく」と話す。

“Two is stronger than one” – デュアル・リーダーシップを選んだ理由

今回の共同CCO制を採った理由について、木村健太郎氏は次のように話す。

「ヤンはシンガポール在住で上海にも頻繁に飛ぶ。2人で共にCCOを務めることで、東京、アセアン、中国と幅広い地域をカバーできる。また、ヤンが把握しているローカルインサイトと博報堂の持つ統合キャンペーンのスキルやノウハウを組み合わせて提供することができる。これによって、ネットワーク系エージェンシーとも日系エージェンシーのやり方とも違う、第三の博報堂スタイルを実現したい。僕たち2人はそれぞれ違う強みを持っている。『Two is stronger than one』と言っているが、同じ信念、ミッションを持ちながら、違うキャラクターやケイパビリティを持つ2人が組み合わさることで、ポジティブな化学反応が生み出され、よりよいサービスを提供する強みになるはず」。

10年前にPRパーソンの嶋浩一郎氏とマーケティング出身の木村氏一緒に博報堂ケトルを立ち上げた時と同じ考え方とも言える。

木村氏は引き続き博報堂ケトルの代表取締役共同 CEO兼ECDを務める。

「ケトルの中でもグローバルブランディングの仕事がここ数年増えており、両者の仕事は自分の中では完全に分かれているわけではない。これまでも海外での得意先業務や講演、研修、広告賞審査などに多く参加して、博報堂がどうすればより筋肉質なグローバルエージェンシーになれるかを考えてきた。その中でシンボリックなCCOが必要というひとつの結論に至り、ヤンと共にその役割を担うことになった。デュアル・リーダーシップという一見変わったやり方だが、多くのクライアントはヘッドクォーターと現地オフィスを連携しながらグローバルマーケティング活動を行っている。そういう意味では、この『デュアル・リーダーシップ』は、実はクライアントのグローバルマーケティングを支援する一番本質的な回答ではないかと考えている」。

ヤン・ヨウ(Yang Yeo)氏 プロフィール

シンガポール生まれ。博報堂グループに加入する前はワイデン+ケネディ上海オフィスのエグゼクティブクリエイティブディレクターを務める。1992 年、サーチ&サーチシンガポールで広告のキャリアを開始、BBH ロンドンでグローバルな経験を積んだ後、ファロンシンガポール、香港の設立に携わり、TBWA 上海在籍時には中国に初のカンヌゴールドライオンをもたらし、ジェイ・ウォルター・トンプソン上海在籍時には中国で初となるカンヌグランプリを獲得。広告業界だけでなく、空間・建築デザインでもよく知られた存在であり、2012 年シンガポール共和国大統領トニー・タン氏から「Designer of the Year」を授与された。

 

木村健太郎氏 プロフィール

1992 年博報堂入社。ストラテジー、クリエイティブ、デジタル、PR の境界を取り去り、全体をシームレスにつなげるユニークなプラニング手法を確立。2006 年、従来の広告手法にとどまらないイノベーティブなキャンペーンを手がけ、熱いアイデアで世界を沸騰させることを目的に博報堂ケトルを設立した。これまでに 8 つのグランプリを含む 100 を超える国内外の広告賞を受賞し、カンヌライオンズチタニウム&インテグレート部門審査員、アドフェストプロモ&ダイレクト部門審査員長、スパイクスアジアデジタル&モバイル部門審査委員長など 20 回以上の国際広告賞の審査員経験を持つ。海外での講演も多く、2013 年から 3 年連続でカンヌライオンズ公式スピーカーに選出された。