コラム

ポートランドから、好き勝手に綴る、リアルコラム。

アメフトはアメリカの縮図だと、勝手につくづく思う。

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日本でも報じられているようですが、先週のペプシCMの大炎上(*1)と、ユナイテッド航空のオーバーブッキングトラブル(*2)は、人種のるつぼと言われるアメリカの歪んだ現実(リアル)をあぶり出した事件といえるでしょう。

*1 主演の人気モデル、ケンダル・ジェンナーがデモ隊のバリケードとなって並んでいる警官にペプシを手渡した”決め”のシーンが、昨年行われた頻発する白人警官による黒人射殺事件への大規模抗議デモで、機動隊に一人で立ち向かった勇敢な黒人看護師を彷彿させるとして大炎上した。しかもケンダル・ジェンナーは黒人ではない。
*2 自社社員4名を中継地まで移動させるために、空港の治安当局によって降機する4人が乗客から無作為に選ばれ、最後の一人として力づくで降機させられたのはアジア系の医師だった。その際に前歯2本を折り、鼻の骨を骨折する重傷を負った。その69歳の医師が降機を拒んだ理由は翌日に自分の患者の診察をしないといけないからであった。

ここでこの二つのトラブルを批評するつもりは全くないですが、ポートランドに移った当時、 多くの人種が一緒に働く環境下だからこそ、仕事のスタンスの違いはいろいろなところで感じられました。

例えば、島国で生まれた我々からすると何事にも日本人同士で通じる「阿吽の呼吸」というものが存在しますが、あまりこちらではそのようなものは見られません。冒頭で人種のるつぼと言いましたが、ほとんどの白人アメリカ人はもともとヨーロッパにルーツがあったり、黒人であればアフリカにルーツがあったり、ヒスパニックがいて、当然アジア系アメリカ人もいます。

トランプ政権では”America First” が流行語のように叫ばれていますが、どの職場にも日本より遥かに多い外国人が様々な形の労働ビザを持って存在します。ルーツや国籍、母国語が違えば、当然「阿吽の呼吸」は成り立ちづらいです。

昨年開催した弊社で働く様々な女性のポートレートエキシビジョン。白人・黒人だけの括りだけではないことを問うた。

そこで今回は、日本との仕事のスタンスの違いについて、私見たっぷりに勝手に綴りたいと思います。

「二足の草鞋を履く」という言葉があるように、日本では一人で幅広く多くの仕事をこなせる人が重宝される傾向があると思います。”仕事のデキる人”の定義は、器用な人だったりします。当然こちらにも器用な人はいますが、ポートランドに限ったことではなくて、アメリカではその分野のスペシャリストを求める傾向にあります。

乱暴に言ってしまえば、「会社にこの分野の専門家が必要で、あなたはそのスペシャリストだから、雇う。」というシンプルな考え方です。逆にその分野以外のことは特に求められません。日本における仕事の評価軸が 横に広い水平型だとするならば、こちらは非常に垂直型です。

例えば、アメリカのレストランに行った際に、サーバーさんがテーブルごとに決まっており、そのサーバーさんでないとオーダーを取ってくれなかったという経験があるのではないでしょうか。会計時はテーブルの担当だったそのサーバーさんにチップを払う、これはまさにこの典型例です。

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