日本でも報じられているようですが、先週のペプシCMの大炎上(*1)と、ユナイテッド航空のオーバーブッキングトラブル(*2)は、人種のるつぼと言われるアメリカの歪んだ現実(リアル)をあぶり出した事件といえるでしょう。
ここでこの二つのトラブルを批評するつもりは全くないですが、ポートランドに移った当時、 多くの人種が一緒に働く環境下だからこそ、仕事のスタンスの違いはいろいろなところで感じられました。
例えば、島国で生まれた我々からすると何事にも日本人同士で通じる「阿吽の呼吸」というものが存在しますが、あまりこちらではそのようなものは見られません。冒頭で人種のるつぼと言いましたが、ほとんどの白人アメリカ人はもともとヨーロッパにルーツがあったり、黒人であればアフリカにルーツがあったり、ヒスパニックがいて、当然アジア系アメリカ人もいます。
トランプ政権では”America First” が流行語のように叫ばれていますが、どの職場にも日本より遥かに多い外国人が様々な形の労働ビザを持って存在します。ルーツや国籍、母国語が違えば、当然「阿吽の呼吸」は成り立ちづらいです。
そこで今回は、日本との仕事のスタンスの違いについて、私見たっぷりに勝手に綴りたいと思います。
「二足の草鞋を履く」という言葉があるように、日本では一人で幅広く多くの仕事をこなせる人が重宝される傾向があると思います。”仕事のデキる人”の定義は、器用な人だったりします。当然こちらにも器用な人はいますが、ポートランドに限ったことではなくて、アメリカではその分野のスペシャリストを求める傾向にあります。
乱暴に言ってしまえば、「会社にこの分野の専門家が必要で、あなたはそのスペシャリストだから、雇う。」というシンプルな考え方です。逆にその分野以外のことは特に求められません。日本における仕事の評価軸が 横に広い水平型だとするならば、こちらは非常に垂直型です。
例えば、アメリカのレストランに行った際に、サーバーさんがテーブルごとに決まっており、そのサーバーさんでないとオーダーを取ってくれなかったという経験があるのではないでしょうか。会計時はテーブルの担当だったそのサーバーさんにチップを払う、これはまさにこの典型例です。
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