ジョンソン・エンド・ジョンソン(J&J) コンシューマー カンパニー マーケティング本部長として「リステリン」「バンドエイド」「ジョンソンベビー」などの消費材ブランドのマーケティングとEC事業を統括するリュウ・シーチャウ氏。2年前の就任以来、特にデジタルを活用したマーケティングの変革に取り組んできた。データを見ながら、リアルタイムに施策を改善していけるデジタルならではの利点を生かして、高速PDCAを回し成果につなげるJ&J。その施策の中ではリアルタイムに利用者の反応が分かる、Twitterが大いに活用されている。
長尺動画にも関わらず、完全視聴率は通常平均の6.2倍
—薬用マウスウオッシュブランド「リステリン」ではコミュニケーションやメディア戦略を大きく転換したと聞きました。
「リステリン」は、2年前からコミュニケーションメッセージ自体を「大胆に生きよう!」に変更し、情緒的な価値訴求を強めています。「リステリン」は、世界シェア1位のブランドですが国内市場に目を向けると、マウスウォッシュカテゴリーの使用率自体が、ここ5年横ばい傾向にありました。以前は歯肉炎に効く、バイオフィルム(口内細菌の塊)に浸透し、殺菌するといった機能を謳っていましたが、このメッセージでは口内環境に意識の高い一部の人にしか響いていないのではないか。そんな考えから「大胆に生きよう!」のコンセプトのもと、マウスウオッシュ自体に興味を持ってもらえる層のすそ野を広げる活動をしてきました。
今年のバレンタインデーの時期には30代~40代の男性を対象にWeb動画を制作。男性が筧美和子さんといい雰囲気になって、キスできそうになるのに、最後はビンタで殴られてしまう。その理由は動画を最後まで視聴しないとわからないという設計にしました。動画の配信に際しては、利用者がツイートをすることで動画の続きを見ることができるTwitter広告の一つであるカンバセーショナルカードを活用しています。
