「パナソニック宣伝100年の軌跡」(3)時代を切り拓く創意工夫 — 空調の広告篇

売り場に室外機を展示。機能を伝える創意工夫

-お二人が関わった、空調の広告は当時、大規模なキャンペーンも行われていましたが、パナソニックの広告戦略には、どのような特徴があると思われましたか?

小森秋雄(クリエイティブディレクター、アートディレクター)
1976年、博報堂に入社して以来、「エオリア」などパナソニックのグラフィックやCMをはじめ、様々な広告の制作に携わった。Asian Advertising Awardグランプリ、カンヌライオンズ銅賞など受賞。2010年に退職。

小森:

エアコン売り場で、エオリアの室内機ではなく、室外機が展示されたことがありました。通常、お客さまがエアコンを検討するとき目にするのは室内機です。いくら特徴がコンパクトな室外機でも、そこまではなかなか踏み切れません。素直にすごいと思いました。徹底的に製品を中心に据える宣伝の発想と、大胆なアイデアの採用がパナソニックの広告の特徴だと思います。訴求ポイントである室外機の幅は、石田さんの肩幅とほぼ同じだったので、石田さんに手で幅を示してもらい、CMシリーズのアイキャッチとして使い続けました。

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